研究課題/領域番号 |
22K14771
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
渡辺 日香里 東京理科大学, 創域理工学部先端化学科, 助教 (90876070)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | リチウムイオン二次電池 / 液体構造 / リチウムイオン伝導 / 電極/電解液界面 / リチウムイオン電池 |
研究開始時の研究の概要 |
イオン伝導は電池性能に密接に関係しており,特異的イオン伝導を発現する電解液の開発が求められている.最近,超濃厚電解質溶液 (SCES) やイオン液体を電解液とするリチウムイオン二次電池 (LIB) において,特異的なイオン伝導や電極反応が生じている可能性が見出された.SCESや新規イオン液体はイオンが過剰に存在し,電極/電解液界面の溶液描像は従来の希薄電解液と異なると考えられるが,その描像はあきらかではない.本研究では,SCESや新規イオン液体を用いたLIBを作製し,電極からバルク溶液までの電極/電解液界面の溶液構造を明らかにするとともに,新規次世代蓄電池用電解液の開発を目指す.
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研究実績の概要 |
イオン伝導は電池性能に密接に関係しており,特異的イオン伝導を発現する電解液の開発が求められている.最近,超濃厚電解質溶液 (SCES)やイオン液体を電解液とするリチウムイオン二次電池 (LIB) において,特異的なイオン伝導や電極反応が生じている可能性が見出された.SCESや新規イオン液体はイオンが過剰に存在し,電極/電解液界面の溶液描像は従来の希薄電解液と異なると考えられるが,その描像はあきらかではない.本研究では,SCESや新規イオン液体を用いたLIBを作製し,電極からバルク溶液までの電極/電解液界面の溶液構造を明らかにするとともに,新規次世代蓄電池用電解液の開発を目指す.電極/電解液界面の溶液構造を解明し,その描像を一般化するためには,高いLi+イオン伝導率やLi輸率が発現するSCESやイオン液体といった濃厚電解液を探索する必要がある.昨年度,オリゴエーテル鎖の長さが異なる非対称陰イオンの合成に成功し,減少し導電率およびLi輸率の向上を確認した.しかし依然として現行リチウムイオン電池電解液より導電性が劣るためさらなる改良をおこなった.また,研究実施計画に従い,Raman分光法と量子化学計算を用いて濃厚電解液のバルク溶液構造解析に取り組んだ.その結果,良好な電池性能を示すことが提案されているカーボネート系濃厚電解液中の化学種の種類とその濃度を定量的に明らかにすることに成功した.さらに電場印加時における液体構造を明らかにするためのin-situ Ramanセルの作製に取組んだ.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
種々のオリゴエーテル鎖をもつリチウムイオン液体のさらなるイオン伝導率の向上を目標にリチウムイオン液体の合成法の検討および添加剤の検討をおこない,添加剤の使用によりわずかではあるが導電率の向上が確認できた.しかし不純物がない合成法の確立に時間を要してしまった.今年度取り組む予定であったバルクの液体構造解析について成果は得られているが,合成に時間を要したためin-situ Raman測定システムの立ち上げに取りくむのが少し遅れたと判断した.
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今後の研究の推進方策 |
電池駆動時の電解液中の化学種を観測するためのin-situ Raman測定システムの立ち上げを行う.測定セルの試作が完了しているため問題なく測定ができるか確認を行い,順次,濃厚電解液系に適用していく.2022年度に得られたin-situ電気化学インピーダンス測定結果と合わせて,電極/電解液界面の溶液描像を明確化に取り組む.
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