研究課題/領域番号 |
22K14778
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古畑 隆史 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (50882635)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ユビキチン / 分岐鎖 / ワンポット / 光制御 / 不均一鎖 / 分岐位置 / 分岐構造制御 / プロテアソーム / ワンポット合成 / ポリユビキチン / 段階的伸長 / 光分解性保護基 |
研究開始時の研究の概要 |
ユビキチンープロテアソーム系における強力な分解誘導因子として、分岐ポリユビキチン鎖 (分岐鎖) が急速に注目を集めている。しかし、分岐点や鎖長、および結合様式 (いずれのリシン残基を介して連結するか) の組み合わせなど、分岐鎖の各構造因子が基質分解の制御に果たす役割は明らかではない。以上から、本研究では、光誘起型段階的伸長戦略により、構造を厳密に制御したポリユビキチン鎖群の効率的創製を試みる。また、得られたポリユビキチン鎖群を用いて、基質分解の制御因子として働く構造要素を抽出し、分岐鎖によるユビキチンープロテアソーム系の制御メカニズムをその立体構造の観点から解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、光誘起型ワンポッ ト連結反応による分岐ポリユビキチン鎖群の創出と、プロテアソーム分解誘導能における分岐構造が果たす役割の抽出を目指した。具体的には、特定のリシンを光脱保護基で保護した合成ユビキチンを用いて、光照射によりユビキチンの反応性を制御することで、ユビキチン連結酵素を用いた分岐ユビキチン鎖のワンポット構造制御合成法を確立した。また、構築した分岐ユビキチン鎖ライブラリを用い、分岐位置がユビキチン認識タンパク質との相互作用を調節する制御因子として働きうることを明らかにするに至った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ユビキチン鎖は、細胞機能の動的かつ多様な制御に関わる翻訳後修飾であり、その機能や構造の異常はがんや神経変性疾患をはじめとする重大疾患につながる。特に、分岐鎖の構造多様性は多彩な生体制御機構の根幹をなす。これに対し、本研究では、分岐ユビキチン鎖の合成・構造制御手法を有機化学的アプローチから新規に提案するものである。これにより、各種ポリユビキチンのプロテアソーム分解における構造機能相関の系統的評価を実現し、分岐位置が分岐鎖の機能調節に果たす役割を抽出した。タンパク質標的分解機構を活用した創薬研究、更には分岐鎖の機能研究全般まで、生命科学と化学の幅広い領域の基礎となる学術基盤を与える。
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