研究課題/領域番号 |
22K14780
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齋藤 雄太朗 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (10846281)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 多価不飽和脂肪酸 / 脂質メディエーター / 炎症制御 / 炎症メディエーター / GPCR / 抗炎症 / 化学合成 |
研究開始時の研究の概要 |
炎症は、感染症や精神疾患、がん、神経変性疾患、糖尿病、循環器系疾患など多くの疾患に現れる病態である。そのため、炎症の制御は現代医療における中心的な課題である。特に、炎症を適切に抑制し収束させることが健康維持において重要である。炎症を抑制・収束させる生体シグナル分子である多価不飽和脂肪酸代謝物の作用メカニズムは十分に理解されておらず、現在主流の解析手法だけでは真の理解に至っていない。そこで、本研究では多価不飽和脂肪酸代謝物を自在かつ簡便に化学合成する手法を確立し、標的受容体の分子認識やシグナル機構を分子レベルで明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、多価不飽和脂肪酸代謝物を自在かつ簡便に合成する手法を確立し、炎症を制御する受容体の制御機構や構造活性相関の調査を目指した。研究成果として、多価不飽和脂肪酸代謝物の効率的合成に向けて種々の検討を行ない、多価不飽和脂肪酸の鎖長やオレフィンの数・位置、末端構造を制御して合成する方法論の開拓に成功した。本手法を用いることで従来は数週間から数ヶ月もの時間が必要であった合成を半日から数日という短期間で完了することができるようになった。さらに合成した多価不飽和脂肪酸類の炎症に関与するGPCRに対する活性化能を評価しFFAR1/GPR40を強く活性化する脂肪酸を見出すことに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で自在かつ簡便に合成可能となった多価不飽和脂肪酸およびその代謝物は、炎症を適切に制御できるツールになると期待される。炎症は、異物の侵入や組織損傷に対する生体防御機構であるが、慢性炎症へと発展してしまうことで疾患や機能不全を引き起こす。 このような不適切な炎症は、精神疾患、神経変性疾患、糖尿病、がん、感染症、循環器系疾患など多くの疾患において見られる。そのため、炎症を適切に抑制する必要がある。本研究で見出された炎症関連受容体FFFAR1/GPR40の活性化能と多価不飽和脂肪酸の分子構造との関連は、今後の炎症制御戦略の大きな知見になると期待される。
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