研究課題/領域番号 |
22K14784
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
武居 俊樹 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (00844771)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | フォールディング / システインパースルフィド / ペプチド合成 / タンパク質合成 / ペプチド / タンパク質 / 化学合成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近年その機能に関心が持たれているシステインパースルフィド (Cys-SSH) を有するペプチド (タンパク質) を化学合成により調製する手法を確立し、その物性を仔細に調査することを目的として行う。また、タンパク質のフォールディングに及ぼす影響を検証することで、Cys-SSHの潜在的な機能を明らかにする足掛かりを得ることを目指す。本研究の達成により、アルツハイマー病をはじめとしたフォールディング病の要因となるタンパク質の品質管理機構の理解の深化が期待される。
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研究実績の概要 |
本研究は、システインパースルフィド (Cys-SSH) を有するペプチド (タンパク質) の物性を仔細に調査し、タンパク質のフォールディングに対する影響を検証することで、Cys-SSHの新たな生理的意義を探求することを目的としている。 本研究の目的を達成するため、まずは化学合成の手法を駆使して均一なCys-SSHを有するペプチドの調製法の開発に着手した。その結果、ペプチド配列中のCysにトリフェニルメタンチオールをSS結合によって導入することで、単純な酸処理のみによりCys-SSH含有ペプチドを調製することに成功した。しかし、パースルフィドは酸性条件下ですら極めて不安定であり、分解してチオールを生じるほか、対応するホモダイマーおよびヘテロダイマーを形成することが明らかとなった。安定性の向上を図るため、種々の有機溶媒や糖類の添加を試みたが、安定に取り扱うことが困難であった。また、ニトロベンジルおよびクマリン骨格を有する光分解性保護基を用いた調製法も試みたが、光照射時にパースルフィドの分解が生じることが明らかとなった。 上記の課題を克服し、フォールディングに対する影響を検証するため、グルタチオンとのトリスルフィド結合を有するペプチドをパースルフィド等価体として合成し、フォールディングを試みた。その結果、トリスルフィド結合を有するペプチドは、通常のチオールのペプチドと比較してフォールディング反応が加速することが明らかとなった。小胞体内は酸化的環境であるため、生合成されたCys-SSH含有タンパク質は小胞体内の酸化型グルタチオンと反応してトリスルフィド結合を形成し、フォールディング速度を潜在的に加速させる可能性がある。本成果は、Cys-SSHがタンパク質のフォールディングに影響を与える可能性を示した重要な知見であり、今後の基礎研究の充実に資するものと考えている。
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