研究課題/領域番号 |
22K14790
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
谷藤 涼 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (10866205)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 化学ー酵素合成 / マクロ環 / 中分子 / DNAアルキル化 / DNAータンパク質間相互作用 / テトラヒドロイソキノリンアルカロイド / 化学-酵素ハイブリッド合成 / DNA–タンパク質間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
DNA-中分子-タンパク質三成分複合体形成を鍵とし、中分子による転写制御を実現する。化学合成と酵素変換を融合し、複雑な分子骨格を1日で合成する。骨格の機能を保ちながら、多彩な大環状構造を追加構築する。この大環状構造へ種々ユニットを導入して合理的に機能を集積化し、DNAアルキル化能とタンパク質捕捉能を併せ持つ中分子群を創製する。系統的に合成したリガンド群の抗がん活性を指標としつつ、特定の腫瘍細胞における標的タンパク質を同定する
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研究成果の概要 |
本研究は、酵素変換と化学合成を融合し、核酸-タンパク質間相互作用を制御する中分子リガンド群の設計・合成を目的とした。従来使用していた骨格合成酵素に加え、類縁酵素の活用を進めた。また、修飾酵素についても検討を進め、連続酵素変換に成功した。設計したマクロ環状中分子の構造多様化も進めた。構築したマクロ環へ、転写因子の既知リガンドと光親和性標識基を導入した分子量1500程度の中分子も合成した。大量発現、精製した転写因子と合成中分子との共有結合形成を検討した。さらに、合成した中分子群のがん細胞に対する増殖阻害活性も系統的に評価した。マクロ環の微細な構造変化により、作用機序が変調している可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
核酸-タンパク質間相互作用の制御は、転写因子を標的とするデコイ核酸に代表されるように、核酸を基盤とした技術が発達している。しかし核酸を標的とする中分子化合物については、如何なる細胞も無差別的に攻撃し得る低い選択性から、精力的な開発が実施されていない。他方で、少数であるがDNAや近傍の核内タンパク質に作用する化合物のADC薬剤がFDAにより認可されている。特定の細胞への低・中分子の選択的送達法の開発が進む現状において、核内作用型分子の多様化は、新規薬剤開発に直結する重要な課題と言える。本研究では、核内現象の選択的制御を実現する新規中分子群の創製につながる知見が得られた。
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