研究課題/領域番号 |
22K14792
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山野 雄平 東北大学, 多元物質科学研究所, 特任研究員(日本学術振興会特別研究員PD) (50938107)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 光修飾 / 光触媒 / 光ラベル化 / 核酸 / 光酸化 / 酸化損傷 / APサイト / 架橋反応 / DNA / RNA / ラベル化 / 光損傷 / 光反応 / mRNA / 機能性核酸 / 核酸損傷 |
研究開始時の研究の概要 |
mRNAの望みの場所に機能性分子を修飾する手法は、mRNAを利用した医薬品や機能性材料の創製につながるため、注目されている。しかし、RNAを配列選択的に修飾することは難しく、新しい修飾法の開発が求められている。本研究では、①光誘起電子移動に基づく新しいアプローチで、mRNAをピンポイント修飾する手法の開発を目指す。また申請者らは、①に関連する予備実験を行う中で、核酸二重鎖が光触媒存在下で鎖間光架橋するという興味深い現象を発見した。同様の現象の報告はなく、新しいタイプの核酸損傷であると考えられる。そこで本研究では、②この核酸損傷の機構解明を2つ目の目標に据え、この損傷の一般性についても検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では 1.mRNAのピンポイント修飾に応用可能な新規核酸光修飾反応の開発と、2.光触媒反応下における架橋型の核酸損傷の機構解明を目指した。 1.末端に光触媒を導入したプローブDNA配列を設計した。修飾剤存在下、標的配列と二重鎖形成させたプローブDNAに光を照射すると、光触媒近傍の修飾剤が光活性化され、意図した光修飾反応が起きることを確認した。 2.一重項酸素を生成する光触媒存在下、オリゴDNA配列に光を照射することで、既知のグアニン塩基の酸化に加え、未知の機構に基づく脱塩基(APサイトの生成)が起きることを確認した。架橋損傷はこのAPサイトと相補鎖の相補塩基の反応に基づくと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1.今回開発した核酸修飾法は、光を照射するだけで標的の配列を修飾できる方法である。従って、選択性と効率に課題は残るものの、長鎖核酸の機能化や蛍光色素によるラベル化といった多岐にわたる応用可能性を秘めていると考えられる。 2.本研究では、光架橋型の損傷の発見をきっかけとして、光触媒反応に基づく非酵素的なAPサイト生成を見出した。さらに、その配列・構造依存性や機構についても詳細に検証した。同様の現象に関する詳細な報告はこれまでにない。従って、本研究で得られた知見は未知の損傷修復機構や生命現象の発見・解明にも大いに役立つことが期待され、生物学的にも極めて重要で意義深い試みであると考えられる。
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