研究課題/領域番号 |
22K14795
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
神保 晴彦 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (50835965)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 光合成 / 光化学系II / 光阻害 / 修復 / ケミカルバイオロジー / シアノバクテリア / 脂質 / メタボロン / 代謝工学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、光合成生物において、強光によって失活した光合成が、高速で修復される分子メカニズムを酵素タンパク質の複合体形成(メタボロン)という観点から解き明かす。損傷した光合成の修復過程では、タンパク質や色素・脂質分子などの解体と再合成・再構築がかなりの速度で起こる。本研究では、ケミカルバイオロジーとプロテオームを駆使して、光合成の修復に関わる膜上メタボロンの形成および構成因子の全容解明に取り組む。
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研究成果の概要 |
光は光合成の駆動に必要であるが、過剰な光は光合成装置を損傷し、光合成活性の低下を引き起こす。光合成生物は損傷した光化学系II (PSII)を高速で修復することで光合成活性を保っている。本研究では、チラコイド膜におけるPSII修復過程の分子基盤の解明を目的とし、膜脂質を分解するリパーゼ遺伝子の探索とその機能について解析を行い、シアノバクテリアゲノムから3種類のリパーゼを同定した。それぞれ、ガラクトリパーゼ・ホスホリパーゼ・アシルプラストキノンリパーゼとしてその機能解析や光合成における機能を明らかにした。本研究の成果は、高速で起こるPSII修復の分子基盤において膜脂質の代謝回転の重要性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PSII修復機構の研究は50年以上続いており、これまでに多くの遺伝子とその機能が明らかとなっている。しかし、膜脂質との関わりについては、不明な点が多い。本研究において、膜脂質の代謝回転によるPSII修復を明らかにしたことで、これまでのPSII修復機構の研究に新たなプレイヤーを追加することができた点は、学術的意義が高い。また、本研究の成果は、同じ光合成生物である植物や藻類にも応用することが可能であり、今後、植物や藻類をベースとした物質生産技術や農作物生産技術の開発においても社会的意義は大きいと思われる。
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