研究課題/領域番号 |
22K14821
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
藤田 雅也 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 学振特別研究員 (50923471)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | リグニン / 細菌内膜 / MFSトランスポーター / トランスポーター / バクテリア / 物質生産 |
研究開始時の研究の概要 |
樹木の細胞壁の主要な構成成分の一つであるリグニンは、石油に代わる芳香族資源であり、近年ではリグニンの化学処理により低分子化と細菌による単一化合物への変換を組み合わせた有価物生産が注目されている。細菌を用いた有価物生産において、細胞膜における基質の取り込みは一つの律速となりうる。そのため、有価物生産の効率化のためには、酵素機能の強化だけでなく、輸送体による取り込み量を向上させる必要がある。本研究では、内膜でリグニン由来ビフェニル、カテコール化合物をそれぞれ取り込む輸送体の構造情報を取得し、構造に基づいた基質結合部位などの変異導入により、取り込み能を改変・強化した内膜輸送体を作出する。
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研究実績の概要 |
初年度は、2種類のMFS輸送体の精製タンパク質取得方法を確立し、クライオ電顕を用いた単粒子解析、等温滴定型熱量測定(ITC)による基質との結合解析を行った。精製タンパク質の取得にはすでに成功していたが、培養時間やbuffer条件などを最適化することにより、これまでの2倍以上の収量で精製タンパク質を得ることに成功した。また、ナノディスクへの再構成法も確立した。界面活性剤に可溶化した目的タンパク質、およびナノディスクい再構成した同タンパク質を用いて、クライオ電顕を用いた単粒子解析を行なった結果、それぞれ4オングストローム、6オングストロームの構造を得ることに成功した。界面活性剤に可溶化した目的タンパク質のデータセットについては現在解析途中であり、今年度中の構造決定が可能であると考えている。また、ナノディスクに再構成した目的タンパク質と、基質との相互作用をITCにより検出することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定していた構造解析が順調なため。また、ナノディスクへの再構成法を確立し、ITCによる相互作用解析の手法も確立できたため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、目的タンパク質を人工膜に再構成し、基質の取り込みアッセイ方法を確立する。取り込み能は、蛍光分光光度計、または電気化学的な手法により評価する予定である。加えて、クライオ電顕により、2種類のMFS輸送体の構造を決定する。取り込み機序の理解に十分な分解能で構造が得られたら、変異体の解析により、取り込みに重要な残基を決定する。また、特定の残機に変異を導入することにより、異なる基質の取り込み能を付与できないかを検討する。
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