研究課題/領域番号 |
22K14833
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
工藤 雄大 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (60824662)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | テトロドトキシン / イモリ / 構造解析 / 生合成 / メタゲノム / 質量分析 / 放線菌 |
研究開始時の研究の概要 |
テトロドトキシン(TTX)はフグやイモリなど多様な生物に含まれる最も有名な自然毒の一つだが、自然界で誰がどの様に生産しているか(生合成)は長年の謎である。本研究では有毒イモリから生合成に関連する新たな化合物を探索し、その化学構造を解析することで生合成経路を推定する。併せて毒の生産者が含まれると予想される環境微生物の遺伝子解析(メタゲノム解析)を行い、陸上TTXの生合成経路の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
質量分析器(MS)を用いた解析から、イモリから新たなテトロドトキシン(TTX)類縁体と推測される成分を発見した。各種イモリの解析からこれまで同定してきたTTXの推定生合成関連物(Tgr-288など)が有毒イモリに広範に分布することを確かめる結果を得た。メタゲノム解析から有毒イモリの環境微生物の塩基配列情報を取得した。 MSによる探索方法を放線菌に適用し、抗マラリア活性を示すリン酸トリエステル化合物サリニポスチンの新規類縁体を複数得た。強力なリパーゼ酵素阻害活性を示すことを明らかにした。また、放線菌シグナル分子の主要タイプであるγ-ブチロラクトン化合物を新たな天然化合物として同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有毒イモリの詳細な成分分析によって、代表的な自然毒かつ食中毒原因物質であるテトロドトキシンの生合成に関する知見を深めることができた。有毒イモリ生息地における環境微生物の塩基配列(メタゲノム)情報を様々な手法で取得できた。 重要な創薬基盤である放線菌を対象した、質量分析器による化合物探索法を構築した。希少天然物リン酸トリエステル化合物を複数得て、その活性について知見を得た。放線菌シグナル分子として知られるγ-ブチロラクトン化合物を新たに天然物として同定できた。今後の放線菌の二次代謝研究、特にリン酸トリエステル化合物とシグナル分子の研究について有効な手法を提案できた。
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