研究課題/領域番号 |
22K14847
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
谷津 智史 帝京大学, 薬学部, 助教 (10823453)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | カロリー制限 / Akt/mTORシグナル / 遺伝子発現 / 寿命延長 / 長寿マーカー遺伝子 / ChIP-seq |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝的に長寿なマウスであるdwarfマウスと、カロリー制限により長寿になった野生型マウスの肝臓で共通して高発現している遺伝子が複数存在する。これらの遺伝子は長寿マーカー遺伝子として解析されている。そしてこれらの長寿マーカー遺伝子の発現を調節する、共通したプロモーター配列が報告されている。このプロモーター配列をもちいたアッセイ系は長寿をもたらす食品成分、栄養成分のスクリーニングに有用である。しかしながら、生体内における活性化機構は不明である。本研究ではこの機構を解明することで、その根幹が未だに明らかにされていないカロリー制限による寿命延長効果の本質を解明する研究である。
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研究実績の概要 |
カロリー制限(CR)は、多くの生物種を超えて寿命を延伸する長寿介入法である。遺伝的にCR様の状態であるdwarfマウスおよびCRにより長寿になった野生型マウスでは肝臓においてインスリン/インスリン成長様因子/Akt/mTORシグナルが減弱していることが長寿にをもたらすと考えられている。そしてこれらのマウスの遺伝子発現解析およびプロモーター解析から、長寿条件下において活性化されるDNA応答配列、Longevity Response Element (LRE)が同定され、長寿をもたらす成分の探索に用いられている。しかしながら長年この活性化機構は不明であった。本研究はこの活性化機構を解明することでの、カロリー制限による寿命延長機構の解明を目指す。 二年目の本年度はまず昨年度同定した、LREに結合するタンパク質(LBP; LRE binding protein)の機能の解析を実施した。まずLBPをノックダウンすることによる長寿関連シグナルの変化を解析した。その結果、LBPノックダウンによりAkt/mTORシグナルの抑制が認められた。このことから、長寿条件下における発現量の変化を検討したところLBPの発現量の低下が認められた。また、LBPが結合しているDNA配列を網羅的ChIP-seqをもちいて解析した。その結果LREのもととなっている遺伝子のうち、LREが遺伝子のエンハンサー領域に存在し、かつそこにLBPが結合していたのはGeneAのみであった。 LBPは長寿条件下によるタンパク質発現の低下によりAkt/mTORシグナルを抑制することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた、ノックアウトマウスの作製ができておらず。寿命解析までは困難な状況となっているため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究内容データをまとめ論文執筆する。また、計画にはなかったが、LREとLBPの結合をより確定的にするために、AlphaFold3を用いた、LREとLBPの結合性解析も実施する。
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