研究課題/領域番号 |
22K14848
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
西澤 果穂 龍谷大学, 農学部, 講師 (30779252)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ナタマメ / カナバリン / 植物性食品 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ナタマメ主要タンパク質であるカナバリンの物理化学的特性を検討し、ナタマメタンパク質の加工食品への利用を目指す。これまでに、白ナタマメからカナバリンを容易に大量抽出する安価な方法を確立している。またカナバリンの溶解性が二価金属塩濃度によって可逆的に変化する現象を見出し、この溶解性が四次構造の変化に因ることを明らかにしている。本研究では、タンパク質の溶解性に影響を与える因子の1つであるpHに着目し、pHの変化がカナバリンの溶解性および構造に与える影響について検討する。本研究で得られる成果はカナバリンにおける新たな学術的知見となり、ナタマメタンパク質を用いた新規加工食品の開発に繋がる。
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研究実績の概要 |
これまでに、ナタマメの主要タンパク質であるカナバリンの溶解性が、塩濃度の違いにより可逆的に変化すること、水抽出したカナバリンは一量体として存在するのに対し、高塩濃度存在下におけるカナバリンは三量体として存在することを明らかにしている。前年度はカナバリンの溶解性に対するpHの影響を検討し、カナバリンはpH6.1以下で不溶化し、pH6.8以上で可溶化することを明らかにした。そこで当該年度は、カナバリンの分子構造に対するpHの影響を検討した。 これまでに確立している方法を用いて、ナタマメからタンパク質を豊富に含む抽出液を調製し、抽出液に15 mM塩化マグネシウムを添加することでカナバリンを不溶化させた。不溶化したカナバリンを蒸留水または10 mMトリス塩酸緩衝液(pH 7.6)を加えて懸濁した。その上清をゲル濾過クロマトグラフィーに供し、カナバリンの挙動を観察した。カナバリンの分子構造はpHの違いにより変化することが明らかになった。蒸留水中では不安定な一量体として存在し、緩衝液中では多量体として存在することが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
pHの違いによるカナバリンの溶解性変化について再現性を確認したこと、実験条件の確立に時間を要したことから、課題研究の進捗はやや遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
これらの結果から、カナバリンと同様に7Sグロブリンで三量体を形成するタンパク質と分子構造を比較する。蒸留水を用いて各マメからタンパク質を含む抽出液を調製し、抽出液中のタンパク質について、SDS-PAGEおよびNative-PAGEによる挙動の変化、ゲル濾過クロマトグラフィーによる分子量の変化から性質を比較する。
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