研究課題/領域番号 |
22K14852
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
寺田 祐子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (80767632)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 辛味 / TRPV1 / 3Dモデル / 口腔内 / 食品化学 / 三次元モデル / 味覚 / TRPチャネル |
研究開始時の研究の概要 |
辛味は食品のおいしさと、抗肥満効果などの機能性に寄与する重要な味感覚であり、おいしさと健康機能を両立した食品を開発するために、辛味を客観的に評価し、コントロールするための技術が求められている。辛味受容体としてTRPV1とTRPA1が特定されたが、辛味の無いTRPV1, A1アゴニストが存在し、TRPV1, A1応答値と辛味強度の不一致が課題である。口腔内では上皮細胞層がTRPV1, A1を覆っているが、従来の応答評価法では受容体が細胞表面にむき出しであり、本研究ではヒトの感覚に合致する辛味評価システムの開発を目的として、口腔細胞層の存在を考慮した新たなTRPV1, A1応答評価系を構築する。
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研究実績の概要 |
一年目は、官能評価とヒト3D口腔モデルの構築を実施した。 1)スパイス成分における、辛味強度とTRPV1応答との矛盾の解析。強辛味TRPV1アゴニストと低辛味TRPV1アゴニストについて、辛味強度の官能評価と、ヒト辛味受容体TRPV1の応答評価を実施した。解析の結果、カプサイシンやピペリンのように辛味が強くかつ、TRPV1応答が強いアゴニストと、オルバニルや10-ショーガオールのように辛味が弱いにも関わらず、TRPV1応答が強いアゴニストがあることを示した。本解析により、TRPV1アゴニストは、辛味強かつTRPV1応答強のグループと、辛味弱かつTRPV1応答強のグループの2群に大別できることおよび、辛味強度とTRPV1応答との矛盾を示すことができた。 2)TRPV1応答を指標とする辛味評価を可能とするヒト口腔内モデルの構築。in vitro辛味評価系の構築を目指して、TRPV1応答が官能と一致する評価系を構築を試みた。具体的には、ヒト口腔細胞をカルチャーインサートに三次元培養し、従来のTRPV1応答評価系に組み込む独自のアプローチを検討した。カルチャーインサートのメーカー、膜の材質、膜孔の検討、細胞種、培養日数、培地組成などを詳細に検討することで、TRPV1応答が官能と一致するヒト3D口腔モデルの構築に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度に計画していた、ヒト3D口腔モデルの構築に成功した。官能評価とTRPV1応答評価の試験は当初計画していなかったが、本年度に実施したことで、辛味強度とTRPV1応答の不一致性を示すことができた。これにより、本研究で構築したヒト3D口腔モデルの必要性を、より明確にアピールすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、今年度に構築したヒト3D口腔モデルについて、詳細な解析を行う。具体的には、辛味TRPV1アゴニストおよび無辛味TRPV1アゴニストの3Dモデル透過率の違い、経上皮電気抵抗値の測定、免疫染色による組織観察などを実施する。
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