研究課題/領域番号 |
22K14858
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
成田 瑞 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 行動医学研究部, 室長 (20749882)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | Beverage consumption / Depression / Dietary habits / Machine learning |
研究開始時の研究の概要 |
うつ病予防は個人と社会双方の負荷を減らす上で必要不可欠である。申請者はこれまで代謝障害と精神疾患の関連や、運動習慣とうつ病の関連を研究してきたが、生活習慣の中でもとりわけ食行動の改善はうつ病予防につながる可能性がある。本研究では機械学習を用いて食行動とうつ病の関連を評価する。このようなアプローチを用いることで、因果推論あるいは予測の観点から先行研究では得られなかった豊富な情報を得ることができる。食行動は日常生活レベルで変容可能であり、精神療法や認知行動療法のように治療者による介入を必要としない。得られる結果は予防の普及や医療経済の観点から我が国の利益につながると考えられる。
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研究実績の概要 |
昨年度に出版した果物とうつ病の関連を報告した論文をさらに発展させる形で、飲料とうつ病との関連を調査した。JPHC-NEXTデータの約10万人のサンプルデータを用いたコホート研究を行った。欠損データの補完にAIアルゴリズムであるランダムフォレストを用いた。結果、甘味飲料、炭酸飲料、野菜および果物ジュース、砂糖入りコーヒーによるうつ病リスク上昇を確認した。逆に、ブラックコーヒーによるうつ病リスクリスク低下も確認した。飲料とうつ病の関連についてはいくつか先行研究が出ていたものの、野菜・果物ジュースについての知見はこれまで無かった。野菜・果物それ自体はうつ病に予防的に働くことが示唆されているものの、本研究からは、ジュースで代用するのは逆効果である可能性が示された。これは砂糖による脳由来神経栄養因子の減少や炎症作用の影響と考えられた。またこれまでの知見では、コーヒーはうつ病に予防的に働く可能性が示唆されていたが、砂糖入りかブラックで飲むかでうつ病への影響が異なる可能性があることが示された。これは糖分による脳由来神経栄養因子の減少や炎症作用と、カフェインによる抗酸化作用や抗炎症作用それぞれが影響したと考えられた。これらの知見はClinical Nutrition誌にアクセプトされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すでにその分野における重要なジャーナルに複数の論文がアクセプトされている。
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今後の研究の推進方策 |
すでに食事や飲料とうつ病の関連について論文に発表することができた。今後はTarget Trial Emulationなど、さらに高度なフレームワークを用いた解析を検討している。
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