研究課題/領域番号 |
22K14860
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
三輪 つくみ 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 研究員 (70912179)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 大腸菌 / 低分子量熱ショックタンパク質 / 翻訳制御 / タンパク質-RNA相互作用 / 発現制御 / IbpA |
研究開始時の研究の概要 |
ストレスによって生じるタンパク質凝集(凝集体)は蓄積することで細胞毒性を示す場合がある。凝集体の処理にあたるのがシャペロンである。シャペロンの中でも低分子量熱ショックタンパク質(small Heat shock protein; sHsp)は凝集体処理の初期ステップである凝集体の隔離を担っている。最近の応募者の研究から、大腸菌のsHspであるIbpAはシャペロンとしての機能以外に、mRNAとの結合を介して自身の発現制御も行うことが分かった。細胞内の凝集蓄積状態を自身の発現調節にフィードバックさせるこの制御機構の発見を受け、本研究ではIbpA、ターゲットRNAの解析を通じて詳細な発現制御機構の解明を行う。
|
研究実績の概要 |
ストレスによって生じるタンパク質凝集(凝集体)は蓄積することで細胞毒性を示す場合がある。凝集体の処理にあたるのがシャペロンである。シャペロンの中でも低分子量熱ショックタンパク質(smallHeatshockprotein;sHsp)は凝集体処理の初期ステップである凝集体の隔離を担っている。最近の応募者の研究から、大腸菌のsHspであるIbpAはシャペロンとしての機能以外に、mRNAとの結合を介して自身の発現制御機能も有していることがわかった。しかし、結合に際する詳細な機構は未だ不明である。本研究ではIbpA,ターゲットRNAの変異体解析、結合解析を通じてIbpA-mRNA結合の機構を解明することを目的としている。前年度はIbpAの変異体解析によるIbpA-mRNA複合体形成における必要領域の決定を行った。その結果、過去の解析で判明していた変異体に加え、新たに複合体形成に必要な残基が判明した。この変異体は、予測上ではIbpAの構造を大きく変え得るものではないが、IbpAのオリゴマー形成、基質結合性を大きく変化させるものであることが明らかとなった。今後この変異体と野生型IbpAの挙動を比較することは複合体形成における重要な足掛かりとなることが期待できる。 また当該年度ではIbpAの構造予測を基にIbpA-mRNA結合に必要な残基を予測し、オリゴマー形成時に露出する正電荷アミノ酸に着目した解析を行った。その結果、着目したアミノ酸残基の電荷がIbpA-mRNA結合を介した翻訳抑制に重要であることが分かった。今後IbpAにおける実際のmRNAとの結合部位を特定する上で、今回得られた変異体は有用な比較対象となることが期待できる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画で予定していたIbpA変異体の取得に成功した。複合体解析についても準備が進行しているが、一方でRNAの細胞内構造を検証するための実験については未だ準備段階である。そのため、おおむね順調であるとした。
|
今後の研究の推進方策 |
IbpA変異体の取得を経て、IbpA-RNA複合体形成における実際の結合箇所を特定するには部位特異的な変異体解析のみでは困難であることが予想される。そこで今後は変異体解析を介した生化学実験のみでなく、タンパク質、RNAの配列レベルでの責任領域探索を行う必要があると考える。詳細な責任領域の探索はクロスリンクを利用した質量分析および逆転写反応を利用する予定である。
|