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イネ茎葉部に蓄積する澱粉の多様性と原因遺伝子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K14875
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分39020:作物生産科学関連
研究機関東京大学

研究代表者

森田 隆太郎  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (30866075)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード澱粉の多様性 / アミロース・アミロペクチン / 稲わら / イネ / ハプロタイプ解析 / 澱粉 / アミロース / 茎葉部 / アソシエーション解析
研究開始時の研究の概要

イネ胚乳に蓄積する澱粉には, 澱粉生合成関連遺伝子の自然変異を起因とする多様性があり, ジャポニカ米, インディカ米, もち米などのように, その物理化学的性質により使い分けられる.しかしながら発酵粗飼料やバイオ燃料原料として注目されているイネ茎葉部に蓄積する澱粉については, 胚乳澱粉と同様な多様性が存在するかは未解明である.本研究ではイネ品種群の茎葉部から澱粉粒を精製し, アミロース含量などの分子構造や糊化および糖化特性などの物理化学的性質を解析してイネの茎葉部蓄積澱粉の多様性を明らかにする.さらにアソシエーション解析により, 各形質に関わる原因遺伝子の同定を目指す.

研究実績の概要

イネの胚乳に蓄積する澱粉には澱粉生合成関連遺伝子の自然変異が存在し、「もち米」や「ジャポニカ米」として我々の日々の生活に利用されている。一方で、イネの茎部にも澱粉が蓄積するが、茎部蓄積澱粉にどのような多様性があるかは解析されていない。そこで本研究では世界のイネコアコレクション(WRC)69系統を用いて、稲わらに蓄積する澱粉のアミロース・アミロペクチン比などの分子構造や、糊化温度などの物理化学的特性の多様性について解析を行う。さらにSNPデータベースを用いたハプロタイプ解析を行い、茎部び蓄積する澱粉の多様性が生じる原因遺伝子の同定を行う。
本年度は初年次と同様、WRC69系統を附属生態調和農学機構の水田で栽培試験・サンプリングを行う計画だった。しかしながら、田植え直後の大雨の影響で水田が2-3週間冠水してしまい、一部の系統が枯死してしまった。このため本年度は栽培試験を断念し、当初計画を変更して次年度に再度栽培試験を行うこととした。
初年度にサンプリングした稲わらを用いて、稲わら乾物重、澱粉・可溶性糖濃度の測定をおこなった。さらに稲わらから澱粉粒を精製し、アミロース含量の測定をおこなった。稲わら乾物重や澱粉・可溶性糖濃度には系統間に差異が認められた。一方でアミロース含量には明確な差は認められず、稲わら乾物重や澱粉・可溶性糖濃度との間に相関は認められなかった。イネ茎部では澱粉粒結合型澱粉合成酵素(GBSS)IIがアミロース合成を担っている。日本晴型のGBSSIIハプロタイプをジャポニカ型、ジャポニカ型に対し11個のアミノ酸置換があるGBSSIIハプロタイプをインディカ型としてアミロース含量との関係を解析したところ、ハプロタイプ間に明確な違いは認められなかった。今後は再現性の確認を行うほか、澱粉粒の形態の観察や澱粉の物理化学的な性質の解析を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度に遅れていた稲わらからの澱粉精製は進んだものの、2年次で計画していた栽培試験とサンプリングが大雨による水田の冠水で行えなかったため。

今後の研究の推進方策

3年次は2年次に行えなかった栽培試験とサンプリングを行い、再現性の確認のため稲わら乾物重や澱粉・可溶性糖濃度の測定、澱粉粒の精製などを行う。また初年度のサンプルから精製した澱粉の走査型電子顕微鏡を用いた観察や糊化温度の解析も行う。また各澱粉生合成関連酵素のハプロタイプの澱粉の性質に関して、詳細に解析を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Characterization of the Functions of Starch Synthase IIIb Expressed in the Vegetative Organs of Rice (<i>Oryza sativa</i>L.)2022

    • 著者名/発表者名
      Morita Ryutaro、Crofts Naoko、Miura Satoko、Ikeda Ken-ichi、Aoki Naohiro、Fukayama Hiroshi、Fujita Naoko
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology

      巻: 64 号: 1 ページ: 94-106

    • DOI

      10.1093/pcp/pcac143

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 難消化性澱粉はイネにとっても難消化性?澱粉枝作り酵素変異体を用いたイネの澱粉研究2024

    • 著者名/発表者名
      森田隆太郎
    • 学会等名
      令和5年度日本応用糖質科学会北海道支部
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ゲノム編集を利用したイネの澱粉生合成研究2023

    • 著者名/発表者名
      森田隆太郎
    • 学会等名
      令和5年度日本応用糖質科学会東日本支部シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ダイズ子葉に蓄積する澱粉の発芽温度依存的な結晶構造決定の分子メカニズムに関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      森田隆太郎, 大塚眞二郎, 鈴木陸太, 陳国鵬, 三浦聡子, クロフツ尚子, 青木直大, 藤田直子
    • 学会等名
      令和5年度第72回日本応用糖質科学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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