研究課題/領域番号 |
22K14877
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
菊田 真由実 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (20788418)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | イネ / 陸稲 / 耐干性 / 根系 |
研究開始時の研究の概要 |
サブサハラアフリカでは,コメ生産に占める陸稲栽培の重要度が高い.陸稲品種の栽培適地は通常降雨量を指標として選定されるが,同程度の降雨量であっても,土壌水分環境は土壌物理性によって大きく異なるため,イネが受ける水ストレス程度は同一ではない.したがって,対象とする圃場の土壌物理性(水分特性,硬度など)が異なれば,そこに適する耐干性根系形質も異なると考えられる.本研究は,物理性の異なる複数の土壌を用いて栽培試験を実施し,イネの根系発育および地上部生育とそれらに影響を及ぼす土壌物理性に関する指標の経時変化を調査し,イネの耐干性にかかわる根系形質の機能と土壌物理性との相互作用について評価する研究である.
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研究実績の概要 |
本年度は,ケニア農畜産業研究所 (KALRO) ムエア支所内のビニールハウス内に設置したコンクリート枠に異なる土壌 (黒綿土,砂質粘土,火山灰土,赤色土) を充填した栽培用ベッドにおいて,水ストレスが陸稲品種NERICA 1の根系発育および地上部生育に及ぼす影響を土壌種類間で比較した.土壌水分条件として,対照区と水ストレス区の2処理区を設けた.対照区では土壌水ポテンシャルを0 kPaに維持し,水ストレス区では灌水量を陸稲栽培必要最低量とした.生育期間中,土壌水分含水率,土壌水ポテンシャルおよび土壌硬度を経時的に測定するとともに,成熟期にサンプリングを行い地上部乾物重と根重を測定した.赤色土は,初期生育不良が見られたため,本年度の調査対象から外し,3種類の土壌について評価した.水ストレス区における灌水停止後の土壌水ポテンシャルは砂質粘土が最も高く,土壌貫入抵抗値は黒綿土と砂質粘土で高かった.土壌種類がイネの地上部乾物重に及ぼす影響には,水条件と土壌種類の相互作用が認められ,対照区では土壌種類間に有意差はなかったのに対し,水ストレス区では有意な差が認められた.また,水ストレス区の根重および地上部乾物重は,対照区と比較して,黒綿土と火山灰土では低下したのに対し,砂質粘土では同等の値を維持した.このことから,イネが受ける水ストレスは土壌種類によって異なり,その違いには土壌の保水性や硬度が関係していることが示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は,ケニアの栽培用ベッドで行った栽培試験と同様の実験を,別の土壌を用いて,広島大学の圃場に設置してあるライシメーターを利用して実施し,より詳細なデータを取得する計画であった.しかし,ライシメーターに不具合が見つかり,栽培試験を中止せざるを得ない状況となった.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,ケニアにおいて,水ストレスが根系発育および地上部生育に及ぼす影響を土壌種類間で比較する栽培試験を行った.データの信頼性を保証するためには,年次反復を取る必要があるため,来年度も同様の栽培試験を実施する.また,国内においてはポット試験を行い,根系の発育反応についてより詳細な解析を進める.
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