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植物寄生性センチュウ孵化誘引物質の生合成解明による高生産系統の作出

研究課題

研究課題/領域番号 22K14894
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分39040:植物保護科学関連
研究機関静岡県立大学

研究代表者

岡本 拓実  静岡県立大学, 薬学部, 研究支援員 (90885245)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワードジャガイモシストセンチュウ / ソラノエクレピンA / 異宿主発現 / バイオインフォマティクス
研究開始時の研究の概要

ジャガイモシストセンチュウはトマトやジャガイモ、ナスなどのナス科植物特異的に寄生する、植物寄生性センチュウの一種とされ、一方的に植物体の栄養を奪い続ける農害虫である。そのため、多くの研究者がその防除法の開発を試みてきたが、未だに効果的な方法は開発されていない。そこで、植物から発せられている孵化誘因物質であるソラノエクレピンAの生合成遺伝子、経路を解明を遺伝子操作技術等を用いることで解明し、ソラノエクレピンA高生産株を作出することで、ジャガイモシストセンチュウへの完全な防除法の開発を目指す。

研究実績の概要

世界中で甚大な被害をもたらしているジャガイモシストセンチュウ(potato cystnematode: PCN)の孵化誘因物質として知られているsolanoeclepin A(solA)の生合成遺伝子・経路の同定を目指した。これまでに、ナス科植物のモデル植物であるマイクロトムを用いたゲノムのリシーケンシングや孵化活性に準じたトランスクリプトーム解析を行うことによって、いくつかの遺伝子を生合成候補遺伝子として挙げていた。また、前年度までにマイクロトムを用いた形質転換体の作出や、Nicotiana benthamiana遺伝子一過性発現に関する実験手法の確立・最適化を行った。これより、本年度をこれを適応した実験を行った。RNAiやCRISPR-Cas9システムを用いた形質転換体の作出について、特にRNAiをもちいた実験において、solAの生合成基質と考えているcycloartenolの生合成遺伝子であるCAS1の形質転換体が作出でた。また、その発現量がしっかりと低減されていることが確認できた。しかし、PCNに対する孵化活性を測定したところ、発現量の低下に伴う活性の低下は見られなかった。また、Nicotiana benthamianaを用いたアグロインフィルトレーション法による遺伝子の一過性発現に関しても、これまで候補にしてきた遺伝子を発現させている。特に、酸化酵素であるP450に焦点を当て、実験を行ったところ、野生株では確認できない化合物ピークをいくつか発見することができた。そこで、現在は、この新たな化合物の解析に取り組んでいる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Nicotiana benthamianaを用いた実験に関しては、これまで候補に挙げていた遺伝子を異種発現させることができ、その機能解析を進めている。しかしながら、最終生産物が微量でしか生産されないことから、その中間体も微量であることが考えられるため、化合物の解析が難航している。また、RNAiやCRISPR-Cas9システムを用いた形質転換体の作出に関しては、おおむね順調に進んでいる。しかし、これまで作出した形質転換体の中に孵化活性が減弱したものは見つからなかった。

今後の研究の推進方策

実験手法的には問題はみられないので、これまで通りNicotiana benthamianaへの遺伝子一過性発現とRNAiやCRISPR-Cas9システムを用いた形質転換体の作出を行っていく。その中で、PCNに対する孵化活性の減弱が見られたものや一過性発現によって新たに生産される化合物を詳しく解析する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (23件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 学会発表 (23件)

  • [学会発表] サラシナショウマの主成分cimigenolを基点としたde novo transcriptome解析による生合成遺伝子・経路の解明2024

    • 著者名/発表者名
      岡本拓実、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      日本薬学会144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Solanoeclepin A生合成経路解明に向けたNicotiana benthamianaへの一過性異種発現における重要中間体cycloartenolおよび関連化合物の単離構造解析について2024

    • 著者名/発表者名
      青木聡樹、岡本拓実、山本泰誠、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      日本薬学会144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] マメ科モデル植物及びその近縁種を用いたダイズシストセンチュウ孵化誘因物質glycinoeclepin Aの生合成遺伝子及び経路の解明2024

    • 著者名/発表者名
      村上侑太郎、岡本拓実、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      日本薬学会144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ジャガイモシストセンチュウ孵化誘因物質solanoeclepin Aおよび類縁体の実用的供給法の構築2024

    • 著者名/発表者名
      山口友喜、渡邉正悟、岡本拓実、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      日本薬学会144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] サラシナショウマの主成分cimigenolを基点としたde novo transcriptome解析による生合成遺伝子・経路の解明2024

    • 著者名/発表者名
      岡本拓実、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年東京大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Solanoeclepin A生合成経路解明に向けたNicotiana benthamianaへの一過性異種発現における重要中間体cycloartenolおよび関連化合物の単離構造解析について2024

    • 著者名/発表者名
      青木聡樹、岡本拓実、山本泰誠、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年東京大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] マメ科モデル植物及びその近縁種を用いたダイズシストセンチュウ孵化誘因物質glycinoeclepin Aの生合成遺伝子及び経路の解明2024

    • 著者名/発表者名
      村上侑太郎、岡本拓実、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年東京大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ジャガイモシストセンチュウ孵化誘因物質solanoeclepin Aおよび類縁体の実用的供給法の構築2024

    • 著者名/発表者名
      山口友喜、渡邉正悟、岡本拓実、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年東京大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Micro-Tomの毛状根を利用したシストセンチュウ孵化誘因物質solanoeclepin Aの生合成遺伝子・経路の解明2023

    • 著者名/発表者名
      岡本拓実、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      第24回天然薬物の開発と応用シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Solanoeclepin A推定生合成遺伝子を異種発現したNicotiana benthamianaにおける生成物の化学構造解析2023

    • 著者名/発表者名
      青木聡樹、山本泰誠、岡本拓実、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      第24回天然薬物の開発と応用シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Micro-Tomの毛状根を利用したシストセンチュウ孵化誘因物質solanoeclepin Aの生合成遺伝子・経路の解明2023

    • 著者名/発表者名
      岡本拓実、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      日本生薬学会第69回年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 有機/生物合成によるジャガイモシストセンチュウ孵化誘因物質solanoeclepin Aおよび類縁体の実用供給法の構築2023

    • 著者名/発表者名
      渡邉正悟、岸本真治、岡本拓実、渡辺賢二
    • 学会等名
      日本生薬学会第69回年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Solanoeclepin A推定生合成遺伝子を異種発現したNicotiana benthamianaにおける生成物の化学構造解析2023

    • 著者名/発表者名
      青木聡樹、山本泰誠、岡本拓実、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      日本生薬学会第69回年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Searching for biosynthetic genes of solanoeclepin A by transcriptome and metabolome analysis2023

    • 著者名/発表者名
      Takumi Okamoto, Taisei Yamamoto, Shinji Kishimoto, Kenji Watanabe
    • 学会等名
      日本農芸化学会2023年度広島大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Engineered biosynthesis of solanoeclepin A by using Nicotiana benthamiana as a heterologous host.2023

    • 著者名/発表者名
      Taisei Yamamoto, Takumi Okamoto, Tao Zhou, Shinji Kishimoto, Kenji Watanabe
    • 学会等名
      日本農芸化学会2023年度広島大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Biosynthetic study on solanoeclepin A using modified Saccharomyces cerevisiae as a Heterologous Hast2023

    • 著者名/発表者名
      Shota Nashimoto, Takumi Okamoto, Shinji Kishimoto, Kenji Watanabe
    • 学会等名
      日本農芸化学会2023年度広島大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Agroinfiltration法を用いたシストセンチュウ 孵化誘因物質solanoeclepin A の生合成遺伝 子・経路の解明2023

    • 著者名/発表者名
      岡本拓実、山本泰誠、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Nicotiana benthamiana異宿主発現系を用いたsolanoeclepin Aの生合成に関与する遺伝子の探索2023

    • 著者名/発表者名
      山本泰誠、岡本拓実、周 韜、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 改変出芽酵母を用いたSolanoeclepin Aの生合成遺伝子の探索2023

    • 著者名/発表者名
      梨本将太、岡本拓実、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Agroinfiltration法を用いたシストセンチュウ 孵化誘因物質solanoeclepin A の生合成遺伝 子・経路の解明2022

    • 著者名/発表者名
      岡本拓実、山本泰誠、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      日本生薬学会第68年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Nicotiana benthamiana異宿主発現系を用いたsolanoeclepin Aの生合成に関与する遺伝子の探索2022

    • 著者名/発表者名
      山本泰誠、岡本拓実、周 韜、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      日本生薬学会第68年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Agroinfiltration法を用いたシストセンチュウ 孵化誘因物質solanoeclepin A の生合成遺伝 子・経路の解明2022

    • 著者名/発表者名
      岡本拓実、山本泰誠、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      第9回食品薬学シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Nicotiana benthamiana異宿主発現系を用いたsolanoeclepin Aの生合成に関与する遺伝子の探索2022

    • 著者名/発表者名
      山本泰誠、岡本拓実、周 韜、岸本真治、渡辺賢二
    • 学会等名
      第9回食品薬学シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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