研究課題/領域番号 |
22K14895
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
住田 卓也 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (90881136)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 植物病原菌 / 付着器 / プログラム細胞死 / ユビキチン・プロテアソーム系 / 宿主侵入 / ユビキチン / 選択的タンパク質分解 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの病原菌は胞子から分化する器官「付着器」を用いて植物に侵入する。イネいもち病菌やウリ類炭疽病菌では,付着器の分化後に胞子のプログラム細胞死が起き、この過程が侵入に重要であるとされる。しかし,このような細胞死を制御・実行する分子メカニズムは未だ明らかでない。申請者はウリ類炭疽病菌において、タンパク質をユビキチンで修飾し分解に導くユビキチンリガーゼの変異株が、胞子に続き付着器においても細胞死を引き起こし、病原性を失うことを見出している。この知見を基盤として,本研究ではタンパク質の選択的分解によって植物病原菌の感染過程の細胞死を制御するメカニズムの解明をめざす。
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研究成果の概要 |
先行研究で、我々はウリ類炭疽病菌のユビキチンリガーゼ関連遺伝子CoGRR1の破壊株が胞子だけでなく,付着器(感染器官)においてもプログラム細胞死(PCD)を起こすことを見出してきた。本研究では、野生株と破壊株の菌糸体および付着器形成時の胞子発芽体を用いたRNA-Seq解析により、付着器形成時の破壊株で特異的に高発現している遺伝子群を同定した。これらの中にはPCDに関与する新規遺伝子が含まれている可能性がある。また、CoGRR1の部分欠損変異体を用いた相補試験により、CoGRR1を介したタンパク質分解が細胞死の制御に関わることが強く示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウリ類炭疽病菌・イネいもち病菌などの植物病原菌において、感染過程で起きる胞子のプログラム細胞死は感染の成立に重要と考えられているが、その機構には未解明な点が多い。本研究において得られたPCDへの関与が推測される遺伝子群の機能解析を進めることで、これらの重要病原菌の防除法や殺菌剤の開発に寄与することが期待できる。また真菌におけるPCDメカニズムに関する知見は哺乳動物と比較して未だ不十分であり、本研究の成果はその基礎的な理解の進展にも貢献できる可能性がある。
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