研究課題/領域番号 |
22K14896
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
吉田 哲也 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 研究員 (00809874)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 植物ウイルス / タバコモザイクウイルス / 翻訳 / 複製 |
研究開始時の研究の概要 |
植物プラス鎖RNAウイルスであるタバコモザイクウイルス(TMV)のゲノムの5′末端近傍領域は、翻訳のエンハンサーとして機能すること、キャップ構造および翻訳関連宿主因子eIF4F非依存的にリボソームをリクルートし得ること等が報告されているが、この領域が翻訳を制御する分子機構の詳細やウイルス感染時に果たす意義等は十分に解明されていない。本研究では、試験管内TMV RNA翻訳複製系を利用した各種生化学的解析を通じて、TMVゲノム5′末端領域と翻訳の関わりについてより詳細な理解を試みる。
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研究実績の概要 |
タバコモザイクウイルス(TMV)のゲノムRNAの5′末端領域は、ウイルスゲノムRNAの翻訳および複製の制御に重要であることが知られている。また、ウイルスゲノムRNA複製には、当該領域をTMV複製タンパク質が認識することが重要であることがこれまでに明らかとなっている。 TMVゲノムRNAの5′末端領域のうち翻訳制御に重要な役割を果たす配列を見出すため、昨年度までに当該領域内の様々な部分RNA断片およびそれらに変異を導入したものが試験管内RNA翻訳活性をトランスに阻害するかを調べた。これにより、翻訳阻害に最も大きく寄与するのは、RNA断片内の特定のウイルス由来配列ではなく開始コドン部分であるという予想外の結果を得た。 そこで、今年度はTMVゲノムRNAの5′末端領域のうち、ウイルスRNAの複製制御に重要な役割を果たす配列を明らかにすることを目的として解析を行った。これまでに、試験管内系におけるTMVゲノムRNAの複製が、当該領域内の様々な部分RNA断片の添加によりトランスに阻害されることを見出していたことから、複製阻害活性を示したRNA断片の配列に相当する領域を含む5′末端領域内の様々な領域に塩基置換や欠失を導入した変異TMV RNAを作出し、その複製活性を試験管内系を用いて調べた。その結果、5′末端付近の複数の領域がTMVゲノムRNA複製に寄与することを見出した。また、試験管内選択法を用いたTMV複製タンパク質の認識するRNAモチーフの同定に向けた条件検討に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
5′末端領域内に様々な変異を導入したTMV RNAの複製活性を調査し、ゲノムRNA複製に必要な複数の領域を見出すことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
5′末端領域内に新たな変異を有するTMV RNAを追加で複数作出し、その複製活性を調べることにより、効率のよいゲノムRNA複製に必要な配列を明らかにする。また、試験管内選択法を用いた実験系を確立し、TMV複製タンパク質の認識するRNAモチーフの同定を試みる。
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