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昆虫細胞に特異なバキュロウイルスレセプターの同定

研究課題

研究課題/領域番号 22K14898
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分39050:昆虫科学関連
研究機関秋田大学

研究代表者

横田 早希  秋田大学, 理工学研究科, 助教 (20632813)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワード昆虫細胞 / 受容体 / BioID / TurboID / バキュロウイルス
研究開始時の研究の概要

バキュロウイルスAcMNPVの出芽ウイルス(AcMNPV-BV) は昆虫細胞における遺伝子ベクターとして利用されている。昆虫細胞へのAcMNPV-BVの侵入は,BVのエンベロープタンパク質GP64が昆虫細胞表面の特異的レセプターに結合することで始まるが,そのレセプターは未だ明らかになっていない。申請者らはこれまでに“近位依存性ビオチン標識BioID法およびTurboID法”を用い,2つのレセプター候補タンパク質を見出している。本研究ではこれらのレセプター候補タンパク質を同定し,さらにこれらの候補タンパク質が,Sf9昆虫細胞におけるAcMNPV-BVレセプターとして機能するのかを明らかにする。

研究実績の概要

本研究は,Sf9昆虫細胞におけるバキュロウイルス(AcMNPV-BV,以下BV)レセプターの同定を目的とするものである。申請者はこれまでに“近位依存性ビオチン標識 BioID法およびTurboID法”を用い,約52 kDaおよび72 kDaの2つのレセプター候補タンパク質を見出しており,昨年度までにこれらの候補タンパク質をLC-MS/MSにより同定した。本年度は,これらの候補タンパク質がBVレセプターとして機能するかどうかを明らかにするための方法の一つとしてBVの感染中和実験を行った。まず,当初の計画通り組換え型候補タンパク質を用いて感染中和実験を行うために,レセプター候補タンパク質の組換え体の調製を試みた。初めに各候補遺伝子を導入したBVの構築を行い,高タイターの組換えBVを得た。これをSf9昆虫細胞に感染させ各候補タンパク質の発現をウェスタンブロットで分析したところ,想定される分子量付近にバンドは見られるものの発現量が非常に少ないことが分かり,MOI等の発現条件の検討が必要であることが示唆された。一方,抗体を用いた感染中和実験も並行して行っており,各候補タンパク質のアミノ酸配列から抗原ペプチドを設計して,精製ポリクローナル抗体を調製した。さらにこれを用いて感染中和実験を行ったところ,72 kDa-候補タンパク質に対する抗体存在下で濃度依存的にGFP発現BVの感染が阻害され,72 kDa-候補タンパク質がレセプターである可能性が示唆された。一方,52 kDa-候補タンパク質に対する抗体存在下ではGFP発現BVの感染が促進されたことから,52 kDa-候補タンパク質はSf9においてBV感染の防御機構に関与していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は当初R4~R6の3年間で行うことを想定していたが,R4年7月から申請者が約1年間産前産後および育児休暇を取得したため,R7まで研究期間を延長した。したがって,当初の計画を後ろ倒しし,R5~R7の期間で,これまでに見出した2つの候補タンパク質がSf9昆虫細胞においてBVレセプターとして機能しているかを明らかにすることとし,以下の3つの実験を行うことを計画した。
(1) 組換え型候補タンパク質によるBV感染中和
(2) 酵母ツーハイブリッド法による,候補タンパク質とBVエンベロープタンパク質GP64との相互作用解析
(3) Jurkat細胞における発現とBV感染
そこで,本年度は(1)組換え型候補タンパク質を用いたBV感染中和実験を実施することとし,候補遺伝子を導入したBVの構築および昆虫細胞による組換え型候補タンパク質の調製を試みた。その結果,組換えBVは構築できたものの,候補タンパク質の発現量が少なく,感染中和実験に用いるために十分な量の組換えタンパク質を得ることはできなかった。しかしながら,一方で,抗体を用いた感染中和実験も並行して実施しており,これにより72 kDa-候補タンパク質がSf9のBVレセプターである可能性が高いことを明らかにすることができた。以上より,本研究の進捗状況をおおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

今後は,当初の計画通り,これまでに見出した2つの候補タンパク質がSf9昆虫細胞においてBVレセプターとして機能しているかを明らかにするために,以下の2つの実験を並行して行う。
(2) 酵母ツーハイブリッド法による,候補タンパク質とBVエンベロープタンパク質GP64との相互作用解析
(3) Jurkat細胞における発現とBV感染
また,(1) BV感染中和実験に関しては,抗体を用いた実験により本年度完了することができたが,組換え型候補タンパク質を調製するための組換えBVも本年度構築できたことから,次年度以降で発現条件の検討を行い,十分な量の組換えタンパク質が得られれば当初計画した組換え型候補タンパク質によるBV感染中和実験も実施する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 出芽酵母における天然ゴム生合成関連タンパク質の発現と脂肪滴形態への影響2024

    • 著者名/発表者名
      横田早希,後藤猛
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年度大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] バキュロウイルス感染に関与する宿主タンパク質の同定2023

    • 著者名/発表者名
      横田早希,岡本園子,鈴木健裕,堂前直,後藤猛
    • 学会等名
      秋田応用生命科学研究会第36回講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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