研究課題/領域番号 |
22K14933
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
樋口 貴俊 東京大学, 大気海洋研究所, 特別研究員 (80914019)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ニホンウナギ / 産卵回遊行動 / 日周鉛直移動 / 低水温 / ポップアップタグ / 産卵回遊 / 地磁気 / 光環境 / 定位 |
研究開始時の研究の概要 |
ニホンウナギは東アジアの成育場からマリアナ諸島西方海域の産卵場へ向けて約3,000kmの長距離回遊を行う。本種は産卵回遊中に日周鉛直移動を示すことが報告されているが、その行動を刺激する環境要因や回遊中の定位方法は明らかになっていない。そこで本研究では、まず、バイオロギング法による行動追跡を行う。得られた遊泳水深と経験水温、公開されている環境データに基づいて本種の日周鉛直移動を規定するメカニズムを明らかにする。また、国際標準磁場モデルや光環境のデータに基づく粒子追跡実験を行い、本種の定位方法を検討する。以上の結果を総合して、ニホンウナギの航海機構を解明する。
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研究実績の概要 |
西部北太平洋に分布するニホンウナギの産卵回遊における航海機構を明らかにするため、前年度に解析に供した個体の行動追跡データの再解析を行った。昨年度の解析によって、低水温環境を経験したニホンウナギは、黒潮などの比較的高水温の環境を経験した際の遊泳水深よりも浅い水深を遊泳することが分かった。今年度の解析によって、経験水温が低いほど、日出時に見られる大規模な潜降行動を開始するタイミングが通常よりも遅く、日没時に見られる大規模な上昇行動を開始するタイミングが通常よりも早いことが分かった。以上の解析結果と昨年度の研究結果を総合し、ニホンウナギは上昇行動の誘因である水温と潜降行動の誘因である光によるモチベーションの不均衡によって遊泳水深の変化が起こるとする仮説を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度までにポップアップタグによる産卵回遊行動追跡データの解析および数値シミュレーションによる定位方法の推定は順調に進展している。しかし、地磁気を記録するデータロガーを用いた放流実験は、購入したデータロガーの動作不良によって実施できなかった。この放流実験は、データロガーを修理もしくは交換した上で、次年度以降に実施したい。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、ウナギ属魚類魚類におけるニホンウナギの産卵回遊生態の特性を明らかにするために、フランス国立自然史博物館に長期滞在して集中的な国際共同研究を展開する。現地で得られる大西洋種の産卵回遊生態の情報をこれまでに得られたニホンウナギの産卵回遊生態に関する研究結果を比較することで、ニホンウナギおよびウナギ属魚類の産卵回遊行動と航海機構の特性の解明を目指す。
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