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褐毛和種牛の封入体病の病態発生に対するメタロミクス的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 22K14989
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分42020:獣医学関連
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

渡邉 謙一  帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (10761702)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード神経変性疾患 / 金属元素 / ICP-AES / 元素分析 / 神経疾患 / 封入体 / メタロミクス
研究開始時の研究の概要

褐毛和種牛の封入体病 (封入体病) は、脳幹部や脊髄の神経細胞におけるsuperoxide dismutase 1 (SOD1) 陽性の細胞質内封入体形成を特徴とするウシの致死性神経変性疾患である。 SOD1は活性中心に銅・亜鉛イオンを持ち、これら金属元素の動態がSOD1の構造安定性において重要な役割を担っていると予想される。本研究ではウシの脳内における微量金属元素の動態に着目し、封入体病の発生機序やSOD1凝集機構を明らかにする。

研究実績の概要

褐毛和種牛の封入体病は脳幹部を中心として神経細胞の細胞質内にSOD1陽性封入体形成がみられる神経変性疾患である。他の神経変性疾患同様、本症における病態発生、特に封入体形成機序と病変部の神経細胞に生じる変化については依然として不明な点が多い。2年目はICP-AESによる元素分析に加え、従来法である病理組織学的検討を合わせて実施した。元素分析では、生体組織内における存在比率が比較的高い鉄や亜鉛、銅などの元素についてはサンプル処理方法によらず一定の再現性を得ることが可能であったが、存在比率の低い微量元素については測定誤差が大きくなりやすく、測定機器の検出感度とカットオフ値の設定に苦慮している。ICP-AESによる元素分析の簡便な前処理方法として乾式可易化法、ケルダール分解法なども検討を行ったが、これらの手法は元素の消失などが懸念されること、FFPEなどの少量サンプルには適さないことから以降の検討にはマイクロウェーブ法による質式可易化を主軸に解析を行うこととした。
病理組織学的検討では、高感度鉄染色法であるPeals-DAB染色にて封入体内における顆粒状の鉄沈着と封入体形成が顕著である延髄神経節の神経線維束やオリゴデンドロサイトに鉄沈着が認められた。銅染色であるロダニン染色では陽性像は認められなかった。これら金属元素に対する古典的特殊染色法は金属元素の局在を簡易的に評価可能である一方で、特異性や検出感度については検討が必要である。メタロチオネインなどいくつかの金属輸送関連分子に対する免疫染色についても検討を行っているが、動物種間での交差性の関係もあり有益な結果は得られていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ICP-AESのサンプル処理が当初の想定よりも非効率的であり、解析に時間を要している。研究代表者の体調不良や家庭環境の変化など当初想定していなかった研究環境の変化により研究全体の進行に遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

ICP-AESを用いた元素分析の部分に遅れが生じている現状から、当初予定していた封入体病発症地域の環境中金属元素測定については実施困難がであり、本課題では生体内における変化に対象を限定することとする。また、育児等の理由により十分なエフォートが確保できないと判断した場合には補助事業期間延長申請などの必要性についても検討したい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Bilateral Plaque-Like White Matter Degeneration in Cerebral Septal Regions of a Chapman's Zebra (Equus quagga chapmani)2022

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Yusuke、Watanabe Kenichi、Nakagun Shotaro、Miller Andrew D.、Sasaki Motoki、Kobayashi Yoshiyasu
    • 雑誌名

      Journal of Comparative Pathology

      巻: 194 ページ: 54-57

    • DOI

      10.1016/j.jcpa.2022.04.001

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Cholesterol granuloma associated with degenerative neuropathy in the cauda equina of a dog2022

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Yusuke、Watanabe Kenichi、Miller Andrew David、Matsumoto Kotaro、Kobayashi Yoshiyasu
    • 雑誌名

      Journal of Veterinary Diagnostic Investigation

      巻: 34 号: 6 ページ: 1010-1014

    • DOI

      10.1177/10406387221120672

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Pathology of eosinophilic cytoplasmic inclusions observed in thalamic neurons of aged horses2023

    • 著者名/発表者名
      Yuki Ohta, Yoshiyasu Kobayashi, Kenichi Watanabe, Takayuki Mineshige
    • 学会等名
      第10回ASVP/JCVP合同学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] アミロイドーシス分類と伝播、全身性アミロイドーシス2022

    • 著者名/発表者名
      渡邉 謙一
    • 学会等名
      第165回日本獣医学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] PPIDの病理 組織学的グレーディングおよび “クッシング症候群” との比較2022

    • 著者名/発表者名
      渡邉 謙一
    • 学会等名
      第50回生産地における軽種馬の疾病に関するシンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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