配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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研究実績の概要 |
イヌの悪性黒色腫は急速な腫瘍増大と早期に起こる遠隔転移により非常に予後が悪い。放射線治療により腫瘍を制御しても腫瘍の転移が生存率の低下を招く。そこで転移の制御を目指す放射線治療が必要とされる。しかし腫瘍への放射線照射が肺転移を亢進するか抑制するかは不明である。そこで本研究では放射線照射がイヌ悪性黒色腫の転移能にどのように影響を与えるかという問いを解決するため細胞株にX線照射を行い、その細胞の運動能や転移関連因子の変化を検討することとした。 初年度は4つのイヌ悪性黒色腫細胞株を用いた実験を行った。まず最初にイヌの悪性黒色腫の細胞株を用いた放射線感受性を調べた。放射線感受性にはトリパンブルーを用いた色素排出試験と、コロニー形成試験を行った。色素排出試験では、2, 8, 10 Gyを照射し、照射線量が増加すると有意に生細胞数は減少したが、高線量であっても照射後1, 3, 5日後で細胞の増殖は認められた。コロニー形成法では、コロニーを形成した3つの細胞株について検討を行った。全ての細胞で0, 2, 4, 6, 8 Gy照射時において有意にコロニー数は減少し、そのうち1つの細胞株で他の2つの細胞株よりも放射線抵抗性を示すものがあった。次に細胞の照射後の運動能を検討するためにInvasion assayとWound healing assayを行った。Invasion assayでは複数回の実験において結果が安定せず、現在も細胞数を含め、条件を検討中である。Wound healing assayでは照射後12, 24, 36, 48時間後においてどの細胞株においても有意な運動能を認めたが、それらは照射線量の違いにおいて有意な変化が見られず異なる照射線量において運動能の違いは認められなかった。
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