研究課題/領域番号 |
22K14994
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
君付 和範 大分大学, 医学部, 講師 (10829724)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 狂犬病 / 末梢感染 / マウスモデル / リンパ節 / 宿主免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
狂犬病ウイルスは低い複製効率と免疫回避機序によって宿主の局所免疫応答から免れている。所属リンパ節は免疫応答の場であり、この部位での免疫反応が免疫回避機序に関与している可能性がある。そこで、狂犬病ウイルス感染初期の所属リンパ節で特徴的な遺伝子発現を解析することで、免疫回避機序の一端を明らかにすることを本研究の目的とする。本研究では、低用量でも末梢感染が可能で病原性を発現する野外株あるいはその弱毒変異株を感染させたマウスモデルにおける発現遺伝子を比較することで特異的な遺伝子を特定する。これらの機序が解明されば、効果的な暴露前後治療方法の開発や発症前のバイオマーカーの発見に貢献できる可能性がある。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、狂犬病ウイルス1088株の強毒株(wt)あるいは弱毒株(N30)を接種したBALB/cマウスの所属リンパ節におけるトランスクリプトーム解析を実施した。接種1日目から5日目におけるCxcl10、Irf1、Cxcl11、Irf9、Cxcl9、及び Stat1の発現をリアルタイムPCRを用いて比較定量したところ、N30感染マウスは接種1日目においてwt感染マウスよりもこれらの遺伝子が有意に高発現していることが明らかとなった。免疫関連遺伝子群(420遺伝子群)に焦点を置いたGene Set Enrichment Analysisでは、N30感染マウスでは接種3、5日目共にインターフェロンシグナルやMHCクラスIによる抗原提示に関連した遺伝子群が発現上昇していたが、wt感染マウスでは、これらの遺伝子群の発現は接種3日目でのみ発現上昇していた。さらに、N0感染マウスではMHCクラスIIによる抗原提示に関連した遺伝子群は接種5日目のみ、胚中心B細胞の分化に関連した遺伝子群は接種3、5日でも発現上昇はみられなかった。以上のことから、N30感染マウスにおける抗体産生をはじめとした免疫反応の増加は、感染1日目に自然免疫に関連した遺伝子の上昇および免疫関連遺伝子群の発現上昇維持が関与していたと示唆された。 一方、所属リンパ節における狂犬病ウイルスの局在部位を特定するため、組織透明化によるウイルス感染細胞の特定を試みたが、接種3、5日目では狂犬病ウイルス抗原を観察することができなかった。同時期のマウスの脳ではウイルス抗原を検出することができたことから、所属リンパ節におけるウイルス抗原量自体が微量であったため、検出できなかったと推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書の計画に沿って実験を進められているため、おおむね順調に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
狂犬病ウイルス1088株をマウスの右後肢足蹠に接種し、感染3日目の所属リンパ節を採取して細胞レベルでのウイルスの局在を明らかにする。細胞が同定されたら、正常マウスのリンパ節から標的となる細胞を分離あるいは株化細胞を用いて、in vitroでウイルス感染動態と遺伝子発現解析を行う。
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