研究課題/領域番号 |
22K15005
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岡川 朋弘 北海道大学, 獣医学研究院, 特任助教 (80829036)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 牛伝染性リンパ腫 / BLV / キメラ転写産物 / ドライバー遺伝子 / 腫瘍化機序 / 発症機序 / 宿主遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)はウシのB細胞に持続感染し、一部の感染牛に地方病性牛伝染性リンパ腫(EBL)を引き起こすが、EBLの発症機序は未だに不明な点が多い。最近、BLVプロウイルスを起点としてアンチセンス転写が活性化され、BLVと上流の宿主遺伝子がキメラ転写産物を形成することが発見された。特にEBLの腫瘍細胞では、プロウイルスの上流にドライバー遺伝子がコードされているため、BLVとドライバー遺伝子のキメラ転写産物が腫瘍化機序に関与するという仮説が提唱された。しかしその後、本仮説の検証は進んでいない。そこで本研究では、分子生物学的アプローチで本仮説を検証する。
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研究成果の概要 |
地方病性牛伝染性リンパ腫(EBL)は牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)の感染を原因とするが、その発症機序は不明な点が多い。最近、EBLの腫瘍細胞ではBLVプロウイルスを起点としてアンチセンス転写が活性化され、BLVとその上流のドライバー遺伝子のキメラ転写産物が腫瘍化に寄与するという仮説が提唱された。そこで本研究では、EBL発症牛などの腫瘍検体を用いて、プロウイルス挿入部位を網羅的に解析し、腫瘍細胞のプロウイルス挿入部位の上流に位置するドライバー遺伝子を同定した。さらに、BLVと特定のドライバー遺伝子のキメラ転写産物を同定し、その発現と下流遺伝子の発現制御能を解析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本国内の農場では乳牛の41%、肉牛の29%がBLVに感染しており、この感染拡大に伴ってEBLの発生も国内で急増している。しかし、BLVの感染伝播や診断法に関する研究は盛んに進められている一方、BLVによるEBL発症機序に関する研究は限られている。本研究で得られた知見が、EBL発症リスクマーカーによる臨床診断やBLV感染牛の早期予後診断へと応用されれば、本疾病の制御による畜産被害の軽減につながると期待される。
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