研究課題/領域番号 |
22K15008
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三原 大輝 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (70908326)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 肝臓線維化 / 線維芽細胞増殖因子23 / 骨粗鬆症 / 骨 / 肝臓 / 臓器連環 |
研究開始時の研究の概要 |
骨粗鬆症は骨密度の減少と骨の脆弱性の増加により骨折の危険性が増大する疾患である。 骨粗鬆症は他臓器の疾患に続発することが多く、中でも肝障害は患者の3人に1人以上と特に高い割合で骨粗鬆症を続発する。現代の食習慣の悪化により肝障害とそれに伴う骨粗鬆症の患者数は急増している。 しかし肝障害に続発する骨粗鬆症に対し、カルシウムを補充する既存の治療法は効果を示さないことが多い。 そこで本研究では新たに、カルシウムと共に骨を形成するリンの再吸収・排泄を制御する線維芽細胞増殖因子23 (FGF23) に着目し、肝障害に続発する骨粗鬆症におけるFGF23の①病態生理機能、②治療標的としての可能性、を明らかにする。
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研究実績の概要 |
肝臓線維化はあらゆる肝臓疾患で生じる重要な病態であり、肝がんや門脈圧亢進症といった致死的な疾患の原因となる。肝臓線維化は様々な合併症を引き起こし、その中でも骨粗鬆症が高確率で発症することが知られている。これらの原因として、「肝臓におけるビタミンD代謝能の低下とそれによるカルシウム不足」というメカニズムが考えられていたが、ビタミンDやカルシウム製剤が反応を示さないケースも多く、他にもメカニズムが存在することが示唆されていた。本研究では体内のリン量を制御する線維芽細胞増殖因子23 (FGF23) に着目し、新規メカニズムの解明を試みた。 まず、四塩化炭素誘発性の肝線維症モデルマウスにおいて、血清中のFGF23量が増加することを見出した。次に実験動物用のDXAとmicro-CTを用いて肝線維症モデルマウスの骨密度やその他パラメータを定量したところ、肝臓線維化が進行するにしたがって骨構造が傷害され、骨粗鬆症の病態を呈することを見出した。最後に、FGF23の作用を阻害するため、FGF受容体阻害薬pemigatinibを肝線維症モデルマウスに投与した結果、骨構造の改善が認められた。この回復効果が骨を構成する成分であるリン量の正常化にあると仮定し、血清中の無機リン量を計測した結果、肝線維症モデルマウスで有意に低下し、pemigatinibにより有意に回復した。 以上から、肝線維症によりFGF23が過剰に産生されリン量が不足し、その結果骨粗鬆症を発症するという、肝線維症に続発する骨粗鬆症の新規発症メカニズムが解明された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りの進行速度で進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
肝線維症モデルマウスに対して、FGF受容体阻害薬を投与することでFGF23の効果を阻害していたが、より直接的にFGF23の関与を証明するため、FGF23中和抗体を投与して、肝線維症に続発する骨粗鬆症への影響を確認する。
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