研究課題/領域番号 |
22K15015
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
守屋 大樹 酪農学園大学, 獣医学群, 講師 (30759759)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 骨髄 / KikGRマウス / 腫瘍免疫 / 樹状細胞前駆細胞 / 樹状細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍に浸潤する樹状細胞は抗腫瘍免疫応答誘導に重要な役割を担う。しかしながら、腫瘍に浸潤する樹状細胞はあまり多くない。腫瘍に浸潤する樹状細胞の前駆細胞は主に骨髄由来であることが知られている。本課題では光変換タンパク質KikGRを発現するマウスを用い骨髄細胞を標識する。そして標識した骨髄由来の腫瘍浸潤樹状細胞が腫瘍浸潤時に利用する分子機構を解明することを目的とする。そして解明した分子機構を応用し、樹状細胞の腫瘍浸潤増強による抗腫瘍免疫応答増強を試みる。
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研究実績の概要 |
腫瘍に対する治療法の一つである免疫療法では、腫瘍を直接攻撃可能な腫瘍抗原特異的 (抗腫瘍) CD8+T細胞の誘導促進や活性化を目指す手法が注目されている。抗腫瘍CD8+T細胞の誘導は、一般に腫瘍に浸潤した樹状細胞(DC)の死した腫瘍細胞の貪食から開始される。その後DCは成熟し、腫瘍所属リンパ節内に移行する。そして腫瘍抗原を有したDCに抗原提示されることで抗腫瘍 CD8+T細胞の誘導は成立する。このため、DCの腫瘍内浸潤を増強できれば、抗腫瘍CD8+T細胞の誘導促進を介した抗腫瘍免疫増強につながる可能性が高い。DCは前駆細胞(pre-DC)の状態で骨髄から血中に遊出する。その後、腫瘍を含む各組織に浸潤する。免疫細胞はケモカイン(細胞遊走因子)やインテグリン(細胞接着因子)を利用して各組織に浸潤する。一部のDCサブセットに関して、腫瘍への浸潤に利用する分子の報告はあるが、pre-DCに関して明確な報告はない。 このため、本研究では骨髄内の細胞を標識し一定時間後、腫瘍および各組織に浸潤した骨髄由来pre-DCを回収し、比較解析することで骨髄由来pre-DCが腫瘍浸潤に寄与する分子群を明らかにし、その応用によるDCの腫瘍浸潤増強を試みることを目的としている。 まず、紫色光照射により緑から赤に変換する光変換タンパク質KikGRを全身の細胞が発現するKikGRマウスを用い、骨髄内の細胞の標識を試みた。 現在までに、KikGRマウスの大腿骨を用い、光照射角度や、照射強度、時間、回数などを調整しながら、光変換効率と死細胞割合を比較検討し、現時点で死細胞があまり出現しない条件で骨髄内細胞のうち3-40%程度変換される光照射条件を設定できた。この条件にて光変換一定時間後、腫瘍およびその他の組織に浸潤した赤い細胞を分取し、解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
担ガンKikGRマウスの骨髄に紫色光照射し、骨髄内の細胞を赤に変換一定時間後に骨髄由来の腫瘍に浸潤するpre-DCとそれ以外の組織に浸潤するpre-DCをそれぞれ分取、RNA抽出後にRNA-seq解析を行い、腫瘍に浸潤するpre-DCに特徴的に発現する分子群を明らかにする計画であった。骨髄由来の各組織に浸潤するpre-DCは細胞数が少ないことが想定される。RNA-seq解析に必要な細胞数を得るために、手技の安定と骨髄内の細胞の効率的な光変換が重要となる。このため、大腿骨髄内の細胞の光変換の手技の習得と効率化を検討するために時間を要した。これにより検討初期と比較してより効率的に光変換する条件を設定できている。 また、本研究で使用するKikGRマウスは自家繁殖にて維持している。繁殖が計画通りに進まず、KikGRマウスは他の研究でも使用していたため、十分なマウスの個体数が確保できなかった。現在はマウスの世代交代や母マウスの環境を整えることで繁殖が改善している。また、KikGRマウスを使用する他の研究も区切りがついている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に設定したマウス骨髄への紫色光照射方法、および照射条件にて担ガンKikGRマウスの骨髄内細胞を光変換する。一定時間後に腫瘍、脾臓、リンパ節を回収し、フローサイトメトリー解析する。そして、1匹のマウスから回収できる各組織に浸潤した赤い骨髄由来pre-DC細胞数から、RNA-seq解析を行うために必要な細胞数を得るための個体数を算出する。 計画した個体数のKikGRマウスに腫瘍を接種、骨髄内細胞を光変換し、一定時間後に腫瘍、脾臓、リンパ節内の赤い骨髄由来pre-DCをセルソーターを用いて回収する。その後、RNA抽出し、RNA-seq解析を実施する。RNA-seq解析の結果から、腫瘍に浸潤した赤い骨髄由来細胞に特異的に発現する分子を絞り込む予定である。
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