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急性腎障害後の尿細管の再生機構破綻におけるCD44の役割解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K15020
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分42020:獣医学関連
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

松下 幸平  国立医薬品食品衛生研究所, 病理部, 室長 (60777796)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード急性腎障害 / 慢性腎臓病 / 虚血再灌流障害 / CD44 / AKI to CKD / レーザーマイクロダイセクション
研究開始時の研究の概要

近年、急性腎障害(AKI)後に尿細管の再生機構が破綻して慢性腎臓病(CKD)に移行するAKI to CKDという現象が明らかとなった。これまで申請者らはAKI to CKDモデルラットにおいて、CD44が再生機構の破綻した尿細管にはAKI直後から発現することを見出した。本研究ではAKI to CKDにおけるCD44の病態生理学的役割を解明したいと考える。主な方法として、レーザーマイクロダイセクションにより再生機構の破綻した尿細管を採取し、遺伝子発現を網羅的に解析してCD44の機能を明らかにする。本研究によりAKI to CKDのメカニズムを解明し、早期診断法および治療法の確立に繋げたい。

研究実績の概要

急性腎障害(AKI)が生じた後に尿細管の再生に異常が生じた場合、不可逆的な線維化が生じて慢性腎臓病(CKD)に移行する。我々はこれまでの研究により、再生異常の生じた尿細管にはAKI直後からCD44が発現する可能性を見出している。本研究ではAKI直後の再生機構の破綻した尿細管におけるCD44の役割を明らかにすることにより、AKI to CKDの早期の現象を理解することを目的とした。本年度はCD44陽性を示す尿細管の特徴を詳細に解析し、再生異常との関連性を検討した。
6週齢の雄性SDラットの左腎臓に虚血再灌流(I/R)処置を施し、1, 3, 5, 7, 14および28日後に剖検し、各解析を行った。線維化は処置後14日からみられたことに対し、CD44陽性を示す拡張あるいは萎縮した尿細管は3から28日にかけて観察された。これまでに実施した3、7および28日後の拡張/萎縮尿細管に特異的な網羅的遺伝子発現解析の結果を用い、Gene ontology解析を実施した。その結果、これらの尿細管では細胞外基質に関連する遺伝子群の発現が上昇しており、トランスポーターや代謝といった尿細管の機能に関わる遺伝子群の発現が減少していた。以上より、CD44に陽性を示す拡張/萎縮尿細管は間葉系の表現型を獲得していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

CD44陽性を示す再生異常の生じた尿細管の特徴の一端を明らかにすることができた。一方、これまでの網羅的遺伝子発現解析の結果を受けて免疫染色等によりCD44陽性尿細管の特徴をさらに検証する予定であったが、候補タンパクの選定および免疫染色手技の確立に時間を要してしまい、さらに必要試薬の納品に遅延が生じたため、上記の評価とした。

今後の研究の推進方策

これまでの研究成果からCD44陽性を示す尿細管では上皮間葉転換が生じている可能性が考えられた。今後はこれらの尿細管における上皮系マーカーおよび間葉系マーカーの発現および間質への浸潤の有無を検討し、尿細管の再生異常と上皮間葉転換の関連性およびCD44のAKI to CKDにおける役割をさらに検証する予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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