研究課題/領域番号 |
22K15022
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
船屋 智史 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任研究員 (80939687)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | リプログラミング / リンカーヒストン / マウス初期胚 / リンカーヒストン変異体 |
研究開始時の研究の概要 |
マウスでは受精後の1から2細胞後期にかけて大規模な遺伝子発現の変化が起こることが知られている。遺伝子発現の調節機構に深く関与するクロマチン構造に関しても、1から2細胞後期にかけて劇的に変化しているが、これら遺伝子発現及びクロマチン構造変化についての制御機構については明らかになっていない。申請者はこれまでリンカーヒストン変異体H1fooがこの1から2細胞後期のクロマチン構造変化の一端に関与していることを明らかにした。そこで本研究ではH1fooに加えリンカーヒストン変異体H1aにも着目し、1から2細胞後期のクロマチン構造および遺伝子発現変化へのこれらリンカーヒストン変異体の関与について解析を行う。
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研究成果の概要 |
マウス初期発生におけるリンカーヒストンの機能を調べるため、CRISPR/Cas9 システムを用いてH1a遺伝子を欠損したマウスを作成した。その結果、H1a欠損マウスは正常に生まれてきたが、このH1a欠損雌マウスでは産子数が減少していた。さらに母性H1aを欠損した胚では着床前初期発生率が低下していた。しかしこの胚では内部細胞塊や栄養外胚葉への分化には異常が見られなかった。本研究よりリンカーヒストン変異体H1aは着床前初期発生において重要であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在iPS細胞などのリプログラミングについて非常に多くの研究が行われている。その一方で、受精後に起こる遺伝子発現リプログラミングおよびクロマチン構造変化については、その制御機構がほとんど解明されていない。本研究によりマウス受精後の初期発生にリンカーヒストン変異体H1aが重要であることが明らかにされた。今後本研究を発展させ、受精後の遺伝子発現およびクロマチン構造変化におけるリンカーヒストン変異体の機能を詳細に解析していくことにより、これら受精後におけるリプログラミングの実態の解明、さらにはiPS細胞の作成効率などの改善に繋がることが期待される。
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