研究課題/領域番号 |
22K15040
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
川澄 遼太郎 東京都立大学, 理学研究科, 特任助教 (60943545)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | CTF18 / 合成致死 / DNA複製 / 染色体分配 / PRIMPOL / がん / DNA修復 / コヒーシン / ゲノム恒常性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、副作用の少ないがん治療薬として、複数の遺伝子の変異が合わさることで細胞死を招く「合成致死性」を利用した分子標的薬が広まってきている。例として、乳がん・卵巣がんに多くみられるBRCA遺伝子の変異に対してはPARP阻害薬の有効性が実証されている。 CTF18は多様ながん細胞て増幅が認められる遺伝子であり、合成致死となる遺伝子の組み合わせかが非常に多いことかが予想される、分子標的薬のターゲットとして有望な遺伝子である。 本研究では、CTF18と合成致死となる遺伝子を探索しその原因を理解す ることで、CTF18を標的とした新規分子標的薬の創薬の促進を狙う。
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研究成果の概要 |
がんは遺伝子の病気であり、細胞の異常増殖を引き起こす遺伝子変異により発がんする。そうした遺伝子の変異は相補的に働く遺伝子への依存性を高めることから、副作用のない分子標的薬による治療の対象となり得る。CTF18遺伝子はDNAの複製や分配に関与することが知られ、30以上の遺伝子と合成致死となることが示唆されており、標的薬のターゲットとして有望である。本研究では、遺伝学的解析によりCTF18とPRIMPOL遺伝子の潜在的な合成致死性を発見した。CTF18はDNA複製因子をDNA上に安定化する働きを持つことから、CTF18とPRIMPOLがリプライミングにおいて相補的に働いている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではCTF18がDNA複製中にリプライミングにおいて重要な役割を果たしている可能性が明らかとなった。これはDNA複製において、リーディング鎖においてもリプライミングが頻繁に起きている可能性を示すものであり、従来のDNA複製モデルに対して一石投じるものとなった。 また、急性白血病などの治療薬であるシタラビンの耐性機構にCTF18とSAMHD1が並行して寄与していることを明らかにした。したがってCTF18やSAMHD1の阻害薬を用いることでシタラビンによる抗がん治療の有効性を高めることができる可能性が示された。
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