研究課題/領域番号 |
22K15052
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
白石 勇太郎 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (10894412)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 核磁気共鳴法 / アレスチン / Gタンパク質共役型受容体 / 核磁気共鳴分光法 |
研究開始時の研究の概要 |
β-アレスチンは、リガンドにより膜貫通ドメイン (TM core) が活性化され、かつC末端領域 (C tail) がリン酸化されたGPCRに結合することで、細胞内シグナルを制御する。しかしながら、TM coreとC tailが、それぞれ β-アレスチンの結合親和性・構造変化をどのように制御しているかは不明である。本研究では、TM coreの活性化状態、C tailのリン酸化状態を制御したGPCRを調製したうえで、これらがβ-アレスチンの結合親和性・構造変化をそれぞれどのように変化させているかを、核磁気共鳴 (NMR) 法を用いた相互作用解析により解析する。
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研究成果の概要 |
β-アレスチン(βarrs)は、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)のリン酸化されたC末端(C tail)と膜貫通領域(TM core)と相互作用することで活性化する。しかし、C tailおよびTM coreによる相互作用が、それぞれβarrsとの親和性・構造変化にどのように寄与しているかは不明であった。本研究では、GPCRのC tailおよびTM coreとの相互作用に伴うβarr構造変化を核磁気共鳴(NMR)法により解析した。その結果、C tailとの相互作用は強い親和性の獲得に必要である一方で、TM coreとの相互作用はβarr1の構造変化に重要であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、医薬品と結合したGPCRによるβarrの活性化が、GPCRのC tailを介した強い結合による複合体形成と、TM coreとの弱い結合により誘起される構造変化の2段階で達成される動的な過程であることが明らかとなった。GPCRを標的とした医薬品のβarr活性化能は、従来はβarrの結合親和性のみを指標としてたが、本研究の結果は、βarrの構造変化を指標に加えることで、医薬品によるアレスチン活性化能をより正確に評価できることを示している。この活性評価法は、GPCRを標的とした新しい医薬品の開発に貢献すると考えられる。
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