研究課題/領域番号 |
22K15053
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
千葉 杏子 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (10795701)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | モータータンパク質 / キネシン / 細胞内輸送 / ALS / 筋萎縮性側索硬化症 / 微小管 / KIF5 / 神経変性疾患 / Kinesin-1 |
研究開始時の研究の概要 |
KIF5Aタンパク質は細胞内でさまざまな物質の輸送に携わる。KIF5Aの遺伝子変異は筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因となるが、遺伝子変異が神経変性を引き起こすメカニズムは明らかになっていない。本研究は精製KIF5Aを用いた解析により遺伝子変異がKIF5Aタンパク質の機能および性質に与える影響を明らかにする。KIF5Aの輸送機能が損なわれることが神経変性とどのように関連するのか解明する。
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研究成果の概要 |
キネシンは細胞内でカーゴ輸送などに携わるモータータンパク質の1つである。キネシンの1つであるKIF5Aの遺伝子変異は筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因となる。遺伝子変異の多くはKIF5Aのexon27周辺配列に生じ、多くがスプライシング異常によりexon27のスキップを引き起こす。本研究ではexon27のスキップによって生じる変異型KIF5Aの解析を行った。ALS変異型KIF5Aのリコンビ ナントタンパク質を用いた生化学解析や細胞生物学的解析から、ALS変異型KIF5Aは野生型に比べ過剰な凝集傾向を持つようになることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キネシンは細胞内で運び屋の役割をするタンパク質である。近年、KIF5Aの遺伝子変異が筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症に関わることが報告されたが、発症のメカニズムは分かっていなかった。本研究は、ALS変異型のKIF5Aタンパク質においても、運び屋としての機能は保たれていることを示した。逆に、細胞内で塊になってしまうという、本来は持っていない性質を獲得してしまっていることが明らかとなった。これらの知見は、KIF5Aを原因として発症するALSの発症機構解明や治療法の確立に繋がる知見である。
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