研究課題/領域番号 |
22K15073
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岩波 翔也 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (10854565)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 数理モデル / 個体群動態 / 細胞分化 / データ解析 / 恒常性の維持 / 造血幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞集団の数の変化を捉えるための個体群動態を土台として、個々の細胞の分化と頻度の少ない小さなイベントが与える影響を補足するために、確率論的なモデルを用いる。また、確率モデル中で計算される各細胞 個体には、遺伝子配列情報を特性として内包させ、生成した疑似配列の系統樹を構築する。 そして、統計学・集団遺伝学・進化生態学の手法を用いて、細胞集団全体の挙動と配列情報 から得られる指標を比較する。同様の手法を実験から得られるデータにも適用し、細胞群の 変化を説明する指標を導出する。
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研究成果の概要 |
造血幹細胞の分化動態を示す数理モデルおよび推定されたパラメータをもとに、移植実験時の造血幹細胞分化の特徴を調べた。移植実験において特定の分化経路の依存度が造血幹細胞の加齢および長期再構築能と関連することを見出した。これは移植実験のデータからも精度良く判別でき、造血幹細胞を特徴付ける新規の指標として期待される。確率モデルによる潜在性幹細胞の限られた系統への分化を説明するためのシミュレーションに着手した。分化における少数性の影響を調査し、実装をもとにしたクローン追跡への展開が見込まれる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
恒常的な細胞系譜がどのような履歴を持ち、疾患により系譜構成がどのように変容するかを定量できるようになる。例えば、特定の細胞のクローンが大半を占めるようになり、白血病のような重大な疾患へとつながる、クローナル造血が引き起こされる原因を特定することが期待される。また、動物実験でのデータ解析を発展させ、数理モデルから導出される指標を疾患と対応付けることができれば、早期診断が可能になり、疾患発症を予防することも可能になる。
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