研究課題/領域番号 |
22K15081
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
鈴木 智大 群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (00804775)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | SunTag / H3K9me2 / エピゲノム制御 / エピゲノム / 脂肪細胞分化 / 白色脂肪 / 褐色脂肪 / SunTag法 |
研究開始時の研究の概要 |
生体は,環境変化に適応するためにDNA塩基配列の変化を伴わない後天的な遺伝子発現変化 (エピゲノム) を誘導する。脂肪細胞には過剰エネルギーに応答して分化する白色脂肪細胞と寒冷暴露によって出現するベージュ脂肪細胞がある。これらの細胞分化は共通および固有の因子により制御されるが,エピゲノムが脂肪細胞種に固有な遺伝子発現を制御するメカニズムは不明な点が多い。本研究では,SunTag法を利用し,ヒストン修飾により制御される白色・ベージュ脂肪細胞それぞれに固有な遺伝子を同定し,同定された遺伝子のヒストン修飾・クロマチン凝集状態を人工改変することで,脂肪細胞分化のエピゲノム制御を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は、昨年度に引き続き、計画①: SunTag-SETDB1によるH3K9me3を介した標的遺伝子の発現制御の確認、計画②: SunTag-SETDB1によるH3K9me3を介した標的遺伝子の発現制御の確認、および、計画③: gRNAライブラリーを利用したSunTag-SETDB1スクリーニングに取り組むことを計画していた。
計画①に関して、2022年度は3T3-L1細胞にpaP2-GFPをpiggyBacシステムによって導入した安定発現株を樹立した。当該細胞株は分化とともにGFPシグナルの増加が見られ、当初の目的通りレポーター細胞株の樹立に成功した。一方、細胞間でGFP蛍光にばらつきが認 められたため、当初の予定を変更し、本年度はレポーター細胞をクローニングすることとした。クローニングによって、候補細胞株を10ライン程度得られたため、当該細胞ラインの中で分化とともにGFP発現が増加する細胞を選別し、計画②においてCebpa領域にSunTag因子を動員した場合に、脂肪細胞分化の抑制を認めるかどうかを検証する予定である。また、計画③に関して、gRNAライブラリの作製するに当たり、遺伝子のどの領域を標的とするべきかの検証を行った。Cebpaのプロモーター領域、遺伝子領域に広くgRNAライブラリを作成し、脂肪細胞分化におけるCebpaの遺伝子発現上昇を抑制しうる領域を検討したところ、特にプロモーター領域にSunTag因子を動員した場合にCebpaの遺伝子発現低下を認めた。このことから、今後の計画③のスクリーニングに用いるgRNAライブラリは、遺伝子のプロモータ領域を標的として行うこととした。
2024年度は、計画②、計画③、および、計画④: SunTag-SETDB1標的領域のH3K9me3修飾とクロマチン凝集状態の評価を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画①「aP2レポーター遺伝子およびSunTag-SETDB1発現細胞の作製」でレポーター細胞のクローニングが必要になった関係で、本年度はクローニングを行った。計画②と計画③はやや遅延しているが、一部開始している。
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今後の研究の推進方策 |
スクリーニングに適したaP2-GFP細胞を選別した後、計画②ー④を本実施する予定である。
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