研究課題/領域番号 |
22K15088
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
山口 和晃 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 客員研究員 (60783511)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ゲノム / 軟骨魚類 / 染色体 / 進化 / 偽常染色体 / ホメオティック遺伝子 / サメ / ゲノム進化 / 核内配置 / 比較ゲノム / 核型進化 |
研究開始時の研究の概要 |
短い染色体は長い染色体に比べてGC含量と遺伝子密度が共に高いという特徴を有し、短い染色体に存在する遺伝子もいくつかの特異な配列特性を有している。これらの特徴は染色体の核内動態と遺伝子の配列特性とが相互に関連している可能性を想起させる。本研究では、脊椎動物の多様な染色体数と形状・構成の違いが、染色体の核内動態にどういった機能的役割を果たしているのかを探ると共に、「ゲノム及び遺伝子が染色体という場の不均衡による影響を受けて加速的に進化する」という仮説をたて、染色体という場の不均衡によって、ゲノムと遺伝子がどう変化するかを脊椎動物の種間比較に基づくゲノム進化史の観点で検証することを目的とする。
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研究実績の概要 |
短い染色体は長い染色体に比べてGC含量と遺伝子密度が共に高いという特徴を有し、短い染色体に存在する遺伝子もいくつかの特異な配列特性を有している。これらの特徴は染色体の核内動態と遺伝子の配列特性とが相互に関連している可能性を想起させるが、脊椎動物の網羅的にその特徴が保存され、統計学的な有意差があるかどうかまでは調べられていなかった。そこで本研究では、進化速度が遅く、保有する染色体本数が多く、その長さの分布が多様なトラフザメとジンベエザメを対象に、その全ゲノム配列情報を取得・決定し、種間比較に基づく染色体ごとの配列解析と統計検定を実施した。 本研究より、トラフザメとジンベエザメで、染色体レベルの繋がりを有した全ゲノム配列情報がそれぞれ整備され、その情報は公共データベースに登録された。我々はトラフザメとジンベエザメの染色体を長さと塩基配列の特徴からeMAC、eMID、eMICという3つのグループに分け、それぞれの特徴付けを詳細に行った。結果、GC含量、遺伝子密度、同義置換率、単純反復配列が染色体長との間で負の相関があり、遺伝子長に関しては正の相関があることが示され、その関係性は一部例外を除きほとんどの有顎脊椎動物(顎口類)で保存されていることも明らかにした。また、eMICという短い染色体のグループに属する一部の染色体は、ニワトリとスポッテッドガーの有するマイクロ染色体と起源が異なることを示した。加えて、トラフザメとジンベエザメの性染色体であるX染色体を配列レベルで初めて同定し、X染色体の偽常染色体領域に動物の胚発生の初期において組織の前後軸および体節制を決定する遺伝子の一つであるHoxC遺伝子群が連鎖していることも初めて同定した。
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