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膜局在プローブの汎用的開発手法の実現による胚発生下の内在性Wnt動態の可視化

研究課題

研究課題/領域番号 22K15115
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分44010:細胞生物学関連
研究機関大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設)

研究代表者

杉山 博紀  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), 生命創成探究センター, 特別研究員 (90910026)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード分裂酵母 / バイオイメージング / バイオセンサー / GPCR / 光遺伝学 / マイクロ流体デバイス / ライブイメージング
研究開始時の研究の概要

基礎生物学・医薬学上の主要な研究対象であるGタンパク質共役型受容体(GPCR)のリガンドの生体内での時空間的動態はほとんど可視化されていない.実用的な膜局在型のプローブの開発に係るスクリーニング戦略として,人海戦術以外を確立できていないためである.本研究では,分裂酵母の遺伝学・光遺伝学とマイクロ流体デバイスとを緊密に組み合わせることで,膜局在型プローブに汎用可能な大規模なスクリーニング法を開発する.特に,ライブイメージングから得られる動的な情報もとにしてスクリーニングするという観点でも,従来にない方法論となることが期待される.

研究実績の概要

ライブイメージング技術の発達は、細胞機能の動的な機構へのアプローチを開拓しつつある。タンパク質の量の変動は、蛍光タンパク質との融合により比較的容易に把握できるが、あるタンパク質の活性の変動を知るためには、その目的に特化したバイオセンサーの開発が必要である。他方、そうしたバイオセンサーの開発には明確な設計指針はないことが多く、その多くを人海戦術に依拠している。特に、膜局在型のプローブについては、たとえばGPCRのような医薬学上の応用への期待からニーズは著しいものの、これまでの報告はごく限定的である。
そこで本研究課題では、膜局在型プローブの汎用的開発法の創出を掲げ、分裂酵母をプラットフォームとする、マイクロ流体デバイス技術と光遺伝学を組み合わせた簡易かつハイスループットなスクリーニング系の構築を目指す。
本年度は、実際の光遺伝学系の構築に主として取り組み、基本的な概念実証について概ね良好な成果が得られている。具体的には、分裂酵母の中で働くことのできる転写プロモータについて、その有無によってある興味のある遺伝子の発現レベルを著しく変化させることができること、また、それによって実際に意図した表現型レベルでの違いを誘導できることを示すことができた。現在、照射する光の波長によってこの表現型の差異を誘導するシステムの構築に取り組んでいるところである。特に、ONにするだけでなく、必要ないときには、より強固にOFFにすることができるよう、複数の光遺伝学ツールを組み合わせた系を試行している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では、本年度中に光遺伝学系の構築を終え、最終年度に当たる来年度は、このスクリーニング系を実際に利用して、対象とするGPCRのセンサー構築に集中することを想定していた。しかし実際には、光遺伝学系の構築自体はおおむね順調に進んでいるものの、スクリーニング系として確立できるまでには至っていない。これは、光によりONにするだけではなく、より積極的にOFFにする機構も含めて検討するなど、より切れの良い、実用的なスクリーニング系とするための当初想定していない追加検討項目を設定したこともあるが、自身の異動に加え、所属研究室自体も別機関へ異動することとなり、実験時間やリソースが想定よりも少なくなってしまった影響も否めない。
他方、マイクロ流体デバイスによる観察という本研究課題のもう一つの柱については、それに関連する仕事が論文としてまとまるなど、順調に進行していると考えている。ただし、前者の検討項目が、本研究課題としてはより中核にあると考え、全体としては「やや遅れている」という自己評価とした。

今後の研究の推進方策

最終年度にあたる2024年度は、最低でも、本研究提案の根幹をなす、光遺伝学を用いたスクリーニングシステムの構築を完了する必要がある。これについてはすでに、候補となる光遺伝学ツールのコンストラクト作成は終わっており、それらの動作確認をする段階にあるため、順次進める予定である。
本研究提案では、最終的なスクリーニング系として、マイクロ流体デバイスによる計測との組み合わせを想定している。デバイスを利用した顕微鏡下での観察については、概ねその基礎検討がすすんでおり、光遺伝学ツールの完成次第、速やかに統合を進める。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件)

  • [国際共同研究] CNRS(フランス)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Live-cell imaging defines a threshold in CDK activity at the G2/M transition2024

    • 著者名/発表者名
      Sugiyama Hironori、Goto Yuhei、Kondo Yohei、Coudreuse Damien、Aoki Kazuhiro
    • 雑誌名

      Developmental Cell

      巻: 59 号: 4 ページ: 545-557.e4

    • DOI

      10.1016/j.devcel.2023.12.014

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Chemogenetic Manipulation of Endogenous Proteins in Fission Yeast Using a Self-Localizing Ligand-Induced Protein Translocation System2023

    • 著者名/発表者名
      Nakamura Akinobu、Goto Yuhei、Sugiyama Hironori、Tsukiji Shinya、Aoki Kazuhiro
    • 雑誌名

      ACS Chemical Biology

      巻: 18 号: 12 ページ: 2506-2515

    • DOI

      10.1021/acschembio.3c00478

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Live-cell imaging provides direct evidence for a threshold in CDK activity at the G2/M transition2023

    • 著者名/発表者名
      Sugiyama Hironori、Goto Yuhei、Kondo Yohei、Coudreuse Damien、Aoki Kazuhiro
    • 雑誌名

      BioRxiv

      巻: preprint ページ: 1-37

    • DOI

      10.1101/2023.03.26.534249

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Quantitative Understanding of Cell Cycle Regulation through Live Imaging of CDK Activity2024

    • 著者名/発表者名
      Hironori Sugiyama, Yuhei Goto, Yohei Kondo, Damien Coudreuse, Kazuhiro Aoki
    • 学会等名
      Invited Seminar at Academia Sinica
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 細胞周期ネットワーク理論解析により判明したCDK-サイクリンの独立制御2023

    • 著者名/発表者名
      杉山博紀, 山内悠平, 後藤祐平, 望月敦史, 青木一洋
    • 学会等名
      酵母遺伝学フォーラム第56回研究報告会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Unveiling CDK Activity Dynamics and Cell Cycle Progression in Fission Yeast Using a FRET Biosensor2023

    • 著者名/発表者名
      Hironori Sugiyama, Yuhei Goto, Yohei Kondo, Damien Coudreuse, Kazuhiro Aoki
    • 学会等名
      12th Salk Institute Cell Cycle Meeting
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 外部形態制御された分裂酵母スフェロプラストを用いた分裂位置決定機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      杉山博紀, 後藤祐平, 青木一洋
    • 学会等名
      第203回 酵母細胞研究会例会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] G2/M期移行はCDK活性の閾値によって規定される2023

    • 著者名/発表者名
      杉山博紀, 後藤祐平, 近藤洋平, 青木一洋
    • 学会等名
      第75回日本細胞生物学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Live-cell imaging provides direct evidence of the threshold for CDK activity at the G2/M phase transition2023

    • 著者名/発表者名
      Hironori Sugiyama, Yuhei Goto, Yohei Kondo, Damien Coudreuse, Kazuhiro Aoki
    • 学会等名
      11th International Fission Yeast Meeting POMBE 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] CDK活性ライブイメージングによる細胞周期制御の定量的理解2022

    • 著者名/発表者名
      杉山博紀, 後藤祐平, 近藤洋平, 青木一洋
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Live imaging of CDK activity by FRET biosensor in fission yeast Schizosaccharomyces pombe2022

    • 著者名/発表者名
      Hironori Sugiyama, Yuhei Goto, Yohei Kondo, Kazuhiro Aoki
    • 学会等名
      BRITISH YEAST GROUP 2022: FROM GENOMES TO CELLS
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] CDK活性のライブイメージングによる,分裂酵母Schizosaccharomyces Pombeの動的な細胞周期制御の特徴づけ2022

    • 著者名/発表者名
      杉山博紀, 後藤祐平, 青木一洋
    • 学会等名
      第74回日本細胞生物学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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