研究課題/領域番号 |
22K15123
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
角出 啓輔 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (20826458)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ヒト造血幹細胞 / iPS細胞 / 胎児肝 / 胎児造血 / 肝オルガノイド / 造血幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
造血幹細胞 (HSC)は、全血球分化能と自己複製能を有し、生涯造血を支持する。ヒトHSCの体外的増幅・活性維持法またはヒトiPS細胞誘導HSC開発の実現には、HSC数が著増する胎児肝造血への理解が不可欠と考え、入手困難な胎児肝組織をヒトiPS細胞関連技術により代替することを試みた。本研究では、マウス体内に血管等の肝臓に特徴的な構造を有するヒトiPS細胞由来肝オルガノイドの作製により胎児肝環境再現を試みる。これにより、胎児肝組織におけるHSC活性支持機構解明並びに血球系による肝発生への影響の解明を目指す。本研究成果は、体外的HSC増幅法開発に繋がることが期待される。
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研究実績の概要 |
ヒトiPS細胞由来肝芽細胞(iHep)・同由来星状間質細胞様細胞(iSC)・同由来類洞内皮細胞様細胞(iSEC)をそれぞれ5:1:4の割合でスフェロイドを形成させ、マトリゲルに封入し(総細胞数1.0-4.5x10^7)NSGマウスに移植した。しかし、HSCを直接移植するに足る十分な大きさの移植片が形成されなかった。そこで、上記構成の移植物に同数のHuVEC及びヒト成人骨髄由来間葉系間質細胞を混合したところ、十分な大きさの移植片の形成が認められた。また、この移植片はわずかに血管構造を認めた。この移植片にヒト臍帯血由来CD34強陽性CD133陽性造血幹細胞を移植したところ、移植片内においてヒトCD45陽性細胞の生着が認められた。この移植片のうち、増殖を認めたものは、主にヒト間葉系間質細胞であり、iHepは依然として増殖しないままであった。そこで、14日間のin vitroにおけるiHepの増殖様式を検討した。その結果、ヒトiPS細胞より分化誘導開始後7日前後、CXCR4陽性difinitive endoderm様細胞からHNF4α陽性AFP陽性細胞に到る段階において、HGFRアゴニストDihexa及びCHIR99021、Y-27632、A-8301、iMatrix-511存在下で、約50-100倍程度に増殖することが観察された。今年度は、移植後増殖可能なiHepの分化段階及び移植剤の条件を検討し、ヒト臍帯血造血幹細胞を支持する胎児肝様環境構築を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
採択者の所属機関異動(2020年8月)に伴う研究環境の再構築は、2022年度中に殆ど完了したものの、実験利用可能な十分数のヒト臍帯血として購入臍帯血は不十分であった。一方、所属機関側倫理審査等都合により、2022年度に予定していた臍帯血バンク由来ヒト臍帯血提供が受けられなかった。このため、肝オルガノイドをin vitro及びin vivoに構築しても、十分な実験が出来なかった都合により計画は大幅に遅延してしまった。しかしながら、2023年度より臍帯血バンク由来ヒト臍帯血の提供を受ける体制が整ったため、今後、従来通り計画を推進する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度には、in vitro及びin vivoで肝オルガノイドを作製する実験系を構築した。 当該年度には十分数のヒト臍帯血が得られなかったが、2023年度には、本格的にNSGマウス体内に作製したヒトiPS細胞由来肝オルガノイド中に直接あるいは経静脈的にヒト臍帯血造血幹細胞を移入する。これにより、マウス生体内ヒトiPS細胞由来肝芽細胞・星状細胞様間質細胞・類洞内皮細胞様細胞への影響並びにヒト造血幹細胞の生着様式・分化への影響を評価する予定である。
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