• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

プラナリア成体多能性幹細胞の維持を可能とする分子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K15127
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分44020:発生生物学関連
研究機関東邦大学 (2023)
青山学院大学 (2022)

研究代表者

鹿島 誠  東邦大学, 理学部, 講師 (10780562)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワード幹細胞 / プラナリア / 全能性 / 化合物 / スクリーニング / RNA-Seq / ケミカルスクリーニング
研究開始時の研究の概要

プラナリアを含む一部の無脊椎動物では成体多能性幹細胞(aPSC)が維持され、組織恒常性の維持や再生に利用されているが、「aPSCの分子実体」や「成体内でなぜaPSC維持できるのか?」という問いには答えが出ていない。本研究計画では、独自のオミクス解析技術とプラナリアの再生個体用いた大規模なin vivo化合物スクリーニングを行い、aPSCの維持に寄与する化合物の同定を目指す。さらに、同定した化合物の機序を時系列一個体RNA-Seqによって解明していく。最終的には、同定した化合物を利用したaPSC培養系の開発を行い、プラナリアaPSCの同定とその維持に重要な分子基盤の解明を目指す。

研究実績の概要

プラナリアを含む一部の無脊椎動物では成体多能性幹細胞(aPSC)が維持され、組織恒常性の維持や再生に利用されているが、「aPSCの分子実体」や「成体内でなぜaPSC維持できるのか?」という問いには答えが出ていない。本研究計画では、独自のオミクス解析技術とプラナリアの再生個体用いた大規模なin vivo化合物スクリーニングを行い、aPSCの維持に寄与する化合物の同定を目指す。さらに、同定した化合物の機序を経時一個体RNA-Seqによって解明していく。最終的には、同定した化合物を利用したaPSC培養系の開発を行い、プラナリアaPSCの同定とその維持に重要な分子基盤の解明を目指す。
プラナリア個体を対象とした化合物スクリーニングを開始し、2940化合物の再生個体に対するスクリーニングの結果、再生不全89種、死亡745種のヒット化合物候補を得ている。RNA-Seqによる薬効評価を開始し、幹細胞の維持促進や分化抑制を行っている可能性がある化合物候補を得ることに成功している。加えて、組織染色による薬効評価のために、化合物暴露によるaPSCの分裂と分化への影響を評価する抗pH3抗体とEdUを用いた実験系のセットアップが完了した。さらに、プラナリアDugesia japonicaの高精度なscRNA-Seqを取得し、データリソースとして公開し、論文化を行った。これにより、本計画でRNA-Seqベース薬効評価で得られる発現変動遺伝子群がどの細胞の数の変化を示唆するのかの解釈が可能となった。
また、プラナリアDugesia japonicaゲノム解読を継続しており、2nの一個体内で数k bp単位のインデルを持つハプロタイムが十種類近く存在することを発見した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究機関の異動及び独立のため、研究進捗に遅れが生じている。
その中でも、昨年度は追加で32のヒット化合物候補に対してRNA-Seqによる薬効評価を行い、幹細胞の維持促進や分化抑制を行っている可能性がある化合物候補を得ている。しかし、様々なマーカー遺伝子の発現がすべて一致して、aPSCの維持促進や分化抑制と解釈できる発現変動をしているわけではなく、RNA-Seqによる薬効評価の課題が見えてきた。そこで、組織染色による薬効評価により、aPSCの分裂・分化を直接評価する方針に変更し、抗pH3抗体とEdUを用いたaPSCの分裂と分化への影響を評価する実験系のセットアップを完了した。
加えて、プラナリアDugesia japonicaゲノム解読を継続しており、2nの一個体内で数k bp単位のインデルを持つハプロタイムが十種類近く存在することを発見した。遺伝子モデルを作成する上で大きな問題であるため、ゲノムの純化とその後のシークエンスによるゲノム解析の必要性が示唆された。

今後の研究の推進方策

今後はヒット化合物候補の絞り込みを、RNA-Seqベースではなく組織染色ベースで行い、aPSCの維持促進や分化抑制に寄与する化合物を絞り込んでいく。その後、時系列RNA-Seq解析や制御ネットワーク推定を駆使することで、化合部の作用機序を明らかにする。また、プラナリアDugesia japonicaゲノム解読も並行して進めるために、「有性生殖」あるいは「X線を用いた幹細胞除去個体へのaPSC一細胞移植」によるゲノムの純化とそれに続くゲノムシークエンスを行うことで、ゲノム解読の達成を目指す。そのためにnanoporeシークエンサーによるゲノム解読のノウハウの確立を目指す。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] A resource of single‐cell gene expression profiles in a planarian <scp><i>Dugesia japonica</i></scp>2023

    • 著者名/発表者名
      Kashima Makoto、Komura Rei、Sato Yuki、Hashimoto Chikara、Hirata Hiromi
    • 雑誌名

      Development, Growth &amp; Differentiation

      巻: 66 号: 1 ページ: 43-55

    • DOI

      10.1111/dgd.12893

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] bulk RNA-Seqを用いた疑似時間解析のすゝめ2023

    • 著者名/発表者名
      鹿島 誠
    • 学会等名
      NGS EXPO2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 淡水生プラナリアで維持・活用される 成体全能性幹細胞研究の今後とこれから2023

    • 著者名/発表者名
      鹿島 誠
    • 学会等名
      第56回日本発生生物学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] WET と DRYハイブリッド研究者になるまで2022

    • 著者名/発表者名
      鹿島 誠
    • 学会等名
      NGS発生生物学現場の会2022
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 成体多能性幹細胞の制御メカニズム解明に向けたケミカルスクリーニング2022

    • 著者名/発表者名
      河村 嶺, 鹿島 誠, 平田 普三
    • 学会等名
      日本動物学会 第93回 早稲田大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 時系列一個体RNA-Seqによるプラナリアの再生プロセスの観察2022

    • 著者名/発表者名
      保坂 美朋, 鹿島 誠, 平田 普三
    • 学会等名
      日本動物学会 第93回 早稲田大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Intercellular and intracellular gene regulatory networks inference with individual-difference correction from time-course bulk RNA-Seq of whole embryo2022

    • 著者名/発表者名
      Makoto Kashima, Yuki Shida, Takashi Yamashiro, Hiromi Hirata, Hiroshi Kurosaka
    • 学会等名
      第55回日本発生生物学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Transcriptomic landscape during regeneration revealed turning point of anterior-posterior information in a planarian, Dugesia japonica.2022

    • 著者名/発表者名
      Miho Hosaka, Makoto Kashima, Hiromi Hirata
    • 学会等名
      第55回 日本発生生物学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] Direct-TRI とLasy-Seq を用いた低コスト・ハイスループットなbulk RNA-seq2023

    • 著者名/発表者名
      鹿島 誠
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      羊土社
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi