研究課題
若手研究
被子植物はほぼ失敗なく種子をつくる重複受精の精巧な仕組みを進化させてきた.花粉管で運ばれる2つの精細胞が,卵細胞と中央細胞の間へ送り込まれてそれぞれと受精する.花粉管から放出された精細胞がどのように正確に受精の場へ配置されるかは不明である.申請者らは未受精な卵細胞と中央細胞の境界に特徴的な斑点状の細胞外構造を見出し,卵細胞特異的な分泌ペプチド群EC1の五重変異体ではこの構造が消失することを確認した.本研究では,精細胞の配置を制御すると考えられる斑点状構造がどのようにつくられるかを明らかにし,重複受精の緻密に統制された仕組みを理解する.