研究課題/領域番号 |
22K15160
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
鈴木 力憲 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, 研究員 (80836172)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 運動学習 / 運動制御 / 可塑性 / ショウジョウバエ |
研究開始時の研究の概要 |
運動学習とは、動物が様々な状況に対応した適切な運動を生成するために必須の神経機構です。この運動学習において運動誤差は学習の教師信号となる重要な情報です。しかしながら、脳内でどのように運動誤差信号が計算されるのか、その生理学的メカニズムはよくわかっていません。最近申請者は、ショウジョウバエ脳において運動学習の成立に関わる神経細胞群を発見しました。そしてその解剖学的特徴から、これらの神経が運動誤差信号を伝送する神経であると考えました。本研究課題ではこの仮説の検証に取り組みます。具体的には、顕微鏡下でショウジョウバエの運動学習を観察できる新規実験系を構築し、これらの神経機能を明らかにします。
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研究実績の概要 |
本研究では、ショウジョウバエをモデルとし、昆虫の運動学習に関わる神経とその回路ネットワークの解明を目指す。昆虫における運動学習を行動学的に観測するため、身体変容とその後の運動機能回復に着目し、これを指標とする新規行動実験パラダイムを開発した。初年度は、Gal4/UASシステムを用いた大規模な神経スクリーニングにより運動学習に関わる神経群の候補をいくつか得ることができた。候補神経群の活動を身体変容後から抑制すると、その後の運動回復に障害がみられた。また、Gal4/UASでは単一細胞の遺伝学的ラベルが難しく、責任細胞を同定することが困難である。そこで、候補となるGal4系統のsplit-Gal4を作製した。今後はこれらのツールを用いることで、昆虫における運動学習関連神経を同定していく予定である。そして、運動学習を成立させる神経メカニズムとして広く一般に受け入れられている「身体内部モデル」の神経実態を、ショウジョウバエを用いて神経分子レベルで解明していくことを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
神経学的スクリーニングにより候補神経をある程度絞れたことで今後、そのsplit-Gal4を作製し、より詳細に神経を同定することができると考えているため順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
Split-Gal4を用いた詳細な神経探索により、運動学習に関わる神経を同定する。また、同定された神経の回路構造を調べるため、trans-TNGOやBACTRACEなどの神経回路可視化法を用いる予定である。
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