研究課題/領域番号 |
22K15162
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45010:遺伝学関連
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研究機関 | 長浜バイオ大学 |
研究代表者 |
里村 和浩 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, プロジェクト特任講師 (90815804)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ほぼ中立説 / 自然選択 / 多重置換 / 遺伝子の進化 / 遺伝的多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
分子進化のほぼ中立説は、ゲノム解析の結果を正しく解釈するために重要な理論である。ほぼ中立説は、これまで主に弱有害変異の効果によって説明されてきたが、対として存在するはずの弱有益変異は未だに実データを用いた検証が終えられていない。弱有益であることを説明するために適応度を利用すると網羅的な解析が難しいため、本研究では弱有害変異が起きたサイトが元の状態に戻る補償的復帰置換を通して、真核生物における弱有益変異の普遍性を調べる。さらに、弱有益変異は有効集団サイズや弱有害変異とどのような関係があるのかを検証する。弱有益変異の普遍性と性質を明らかにすることで、ほぼ中立説を拡張し、分子進化の理解を深めたい。
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研究実績の概要 |
現在、ゲノム解析は生物学の基本的な研究手法の一つとなっており、その結果の解釈には、分子進化のほぼ中立説の理解が重要である。ほぼ中立説は、これまで主に弱有害変異の効果によって説明されてきたが、対として存在するはずの弱有益変異は未だに実データを用いた検証が終えられていない。実データから網羅的に弱有益変異を検出するためには、適応度を調べずに弱有益であることを説明する必要がある。本研究計画では、弱有害変異が起きたサイトが元の状態に戻る補償的復帰置換を通して、弱有益変異の普遍性を調べることを目的とした。 これまでミトコンドリア遺伝子を用いた種間比較を行ってきたが、令和5年度は核ゲノム上の遺伝子を用いた比較に拡張した。全ゲノム配列が利用可能な生物を用いる必要があるため、哺乳類、昆虫、高等植物といった広い分類群で相同遺伝子間の変異の比較を試みた。この比較解析を行うと系統的に近縁であるほど収斂進化が起こりやすいという結果が得られる。これは、遺伝的な背景が似ている生物ほど共通の遺伝子間相互作用が働きやすく、適応的な変異が共通していることが原因であると考えられる。しかし、系統的に近縁な種ほど相同配列を検出しやすく共通の領域を比較出来るため、結果を過大評価してしまう可能性もある。とは言え、全種に共通の遺伝子を用いて比較解析を行おうとすると、比較に十分な遺伝子数が得られない。そこで、遠縁の種との比較をより正確にするため、遺伝子配列の領域毎の来歴を調査した。そうすると、遠縁の種の相同遺伝子は、部分的に遺伝子間領域と相同性を示していることが多く、塩基置換のレベルではないダイナミックな遺伝子の進化を考慮する必要があることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
復帰置換を用いた弱有益変異の検証は遠縁の種になるほど難しくなるため、その点において計画通りの進捗ではないが、遺伝子の進化を考慮することで一アミノ酸置換レベルを超えた比較を研究に組み込むことができるようになったため、総合的に考えて順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
アミノ酸レベルの比較だけではなく遺伝子の進化や構造変異などダイナミックな進化を考慮する必要があると考えている。現時点で小規模のサンプル内で構造的な平行進化も検出しており、これをより広い種群を用いて比較すること、研究成果をまとめて発表することを考えている。
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