研究課題/領域番号 |
22K15165
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
自見 直人 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (50866720)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 眼 / 多様性 / 進化 / 形態 / 中枢神経系 / 環形動物 |
研究開始時の研究の概要 |
ボウセキウロコムシ科多毛類は頭部に2対ある眼の発達段階で3つのグループに分けることができる。1.2対とも杯状眼をもつ属、2.未発達なカメラ眼が前対で杯状眼を後対にもつ中間的な属、3.前対のカメラ眼が後対部まで発達し杯状眼が存在しない属、これらを比較できれば、カメラ眼という高度な情報処理が必要な器官を獲得した際にどのような中枢神経系の変化が起こるかを明らかにできる。 本研究では環形動物のボウセキウロコムシ科多毛類を用いて、カメラ眼獲得に伴い中枢神経系構造にどのような変化がもたらされるかを解明する。
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研究実績の概要 |
ボウセキウロコムシ科の系統関係解明に向けて調査船およびSCUBA潜水による調査を行い、各属のOTUを集めることに成功した。そのうちのいくつかは未記載種であるため現在記載を進めている。それぞれのミトコンドリア全長の配列決定を行ったが、いくつかのOTUにおいてうまくいかなかったため現在そのやり直しを行っている。 眼の構造については解析がまとまってきており、環形動物では通常見られないレンズ眼構造がどのように段階的に進化してきたかをMicroCT・切片を元に理解することができた。 従来の方法である4遺伝子領域を用いた系統解析では眼の進化を解明するに足る系統樹を推定することはできなかったため、現在ミトコンドリア全長配列を各OTUにおいて決定し直すことでこれを解決しようとしている。次世代シーケンサーを用いてショットガンシーケンス法により配列決定を行ったが、標本の固定状態によってうまくいくものといかないものがあり、いかないものについては再度標本の採集を行っているところである。 将来的にはボウセキウロコムシ類が眼の進化のモデル生物となるような基盤創りをしていきたいと考えているため、系統樹の頑強性は重要である。また、発生段階を追うことで眼の形成過程を追うことができるため、飼育系列が確立できないかの試行をしており、飼育に適した種を見つけることには成功した。あとは世代を回すことができるようになるように試行錯誤する段階である。 現在これらの成果を元に論文化を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調にOTUを集めることに成功した。調査の過程で得られた未記載種については記載を進めた。いくつかについては標本状態が悪いことから採集し直す必要があるが採集することができる場所は把握しているため問題ない。眼の構造についての解析もほぼデータを取り終えることができた。 最終年度に向けて成果をまとめつつ、足りないデータを補っていく段階へと移行したい。
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今後の研究の推進方策 |
構造および系統解析に向けてのデータ収集は順調のため、成果をまとめつつ足りないデータを補完していきたい。
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