研究課題/領域番号 |
22K15176
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
糸井川 壮大 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (30910492)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 霊長類 / キツネザル / 味覚受容体 / 分子進化 / 適応 |
研究開始時の研究の概要 |
化学感覚(味覚と嗅覚)は、哺乳類の採食活動において食物選択に重要な役割を果たす感覚である。化学感覚は、舌や嗅上皮などの感覚器に発現する化学感覚受容体(味覚受容体と嗅覚受容体)を介して知覚され、個々の動物は、その食物・生息環境に応じて受容体を進化・適応させてきたと考えられている。しかし、動物、特に哺乳類の化学感覚受容体の機能が、異なる環境では同種内でも分化し、局所適応を果たしていることが示された例はあまりない。そこで、本研究では熱帯乾燥林と熱帯雨林という異なる森林環境に生息するキツネザル類に着目し、化学感覚受容体の局所適応の実態と環境適応機構の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、異なる森林環境に生息する霊長類集団の化学感覚の差とその適応機構を解明を目指す。熱帯乾燥林と熱帯雨林の双方に生息する霊長類種を対象とし、それぞれの森林にのみ分布する近縁別種を比較に利用する。甘味・旨味受容体TAS1R、苦味受容体TAS2R、嗅覚受容体ORを解析し、生息地の異なる集団の比較により、化学感覚の地域差とその適応的意義や生息環境が化学感覚の局所適応に与える影響を見出すことを目指す。本年度は、シーケンス解析の手法検討並びに、日本モンキーセンターとの連携研究により、飼育キツネザルの糞便を採取した。 これと並行して、キツネザル下目全体を網羅した甘味受容体の機能解析実験を実施した。これまでの研究で葉食性のインドリ科の一部で天然糖類への感受性が低下していることがわかっていたが、本年度の解析により他の葉食性キツネザル類では、少なくとも天然糖類への感受性をある程度保持しており、インドリ科よりも感受性が高いことが明らかとなった。また、インドリ科で見られた機能低下の原因変異の絞り込みと進化史の推定を実施した。 本年度に霊長類約230種の全ゲノムデータが新たに公開され、これまで未解読であったキツネザル下目の多くの科・属のゲノムデータにアクセスが可能になった。そこでTAS1R遺伝子とTAS2R遺伝子レパートリーの網羅的な同定作業を開始した。TAS1R遺伝子については完了し、これまでの研究で同定した機能に関与する変異の進化史を推定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
シーケンス解析を十分に進められていないため、生息地間の比較を行うに至っていない。一方で、野外サンプルを用いてキツネザル下目を広く網羅するように甘味受容体の機能解析と配列比較を進めることができたため、一定の成果は得られている。
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今後の研究の推進方策 |
主にエクソームシークエンスを中心に解析を進める予定である。エクソームシークエンスで十分な結果が得られない場合は、全ゲノムリシーケンスなど別の方法も検討する。また、甘味受容体を軸として、個々の味覚受容体の機能解析も進める予定である。
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