研究課題/領域番号 |
22K15183
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
坂田 雅之 北海道大学, 農学研究院, 助教 (90909904)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 環境DNA / 過去復元 / 湖沼 / 魚類 |
研究開始時の研究の概要 |
1年に1層形成される年縞という高度な経時シグナルを堆積物にもつ福井県の水月湖において、堆積物コアを採取し、そこに含まれる環境DNA(環境中に放出された個体外DNA)を用いて、環境変化にともなう過去から現在に至る様々な生物とその生物間の関係の変化を探る。
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研究実績の概要 |
淡水生態系における食物網構造の変動過程について、湖底の堆積物から過去の生物情報を復元し、人為活動にともなう湖沼食物網の長期変動を記述し、環境変動に対する応答を明らかにすることを目的としている。2023年度には2022年度に採取したサンプルからDNA抽出、解析を行うべく検討を行なった。これまでに使用していたDNA抽出キットが終売になったことを受け、代替可能な方法を探索し、新たに堆積物・土壌からDNAを抽出する方法を確立した。加えて対象種である淡水魚、汽水魚に関連する検出系の設計を行なった。ここでは対象の湖沼が過去から現在にかけて汽水環境と淡水環境を繰り返してきたことから、それらに対応した魚類を選定し検出系の設計・確立、また、利用可能な検出系の選定とデータベースの確認を行なった。さらに、関連する堆積物の環境DNAに関する国際共同研究に携わり、世界中の同分野の研究者と議論を行い、その成果はReview論文として公開されている。 また、年内には複数の国内外の学会大会に参加し、堆積物環境DNAに関する知見の集積とそのまとめを発表すると共に情報収集を行った。国際大会では堆積物環境DNAを用いた過去復元に関する成果発表を行い、結果やこの分野の展望について議論を行った。特に、ドイツで開催されたsedimentary DNA society(堆積物DNAに関する国際学会)では世界各地の同分野の専門家に成果発表をするとともに議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は堆積物からの抽出法の確立(これまでの方法の代替手法)とPCRでの検出に必要な検出系の作成を行なった。その結果、代替方法であってもこれまでの手法と遜色なくDNAが検出可能であることがわかった。また、堆積物DNAの研究者と魚類の環境DNAに関するこれまでの課題共有と解決策に関する議論を行なった。検出方法自体の検討についても国際会議で情報収集を行い、一定の目処がたった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は早急に堆積物サンプルからDNAを抽出するとともに、ウナギ・スズキといった汽水環境に関する魚類、また、コイなどの淡水魚に関する定量PCRを行い時系列変化を観測する。加えて、研究協力者と、プランクトンのデータを共有し、栄養段階縦断的な解析及び環境変化に応じた変動を解析する。
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