研究課題/領域番号 |
22K15192
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45050:自然人類学関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
橋戸 南美 (鈴木南美) 中部大学, 応用生物学部, 日本学術振興会特別研究員 (60772118)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ニホンザル / 青酸配糖体 / 腸内細菌 / 霊長類 / 解毒 / ササ |
研究開始時の研究の概要 |
屋久島山頂部に生息するニホンザルは、他地域のニホンザルとは異なり、夏の間、ササの一種であるヤクシマダケのタケノコ・新芽のみを採食している。ササには毒性の高い青酸配糖体が含まれ、ササ食を行うニホンザルでは特別な解毒機構が備わっている可能性が高いがその機構は明らかになっていない。ニホンザル糞を用いた腸内細菌の分離培養・機能解析、メタゲノム解析により、ニホンザルのササ食を支える腸内細菌の特定、分子基盤の解明を行い、地域季節特異的な特殊食性を支える腸内細菌の解毒機構の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
食資源が限られた地域に生息する野生動物は、他の地域では採食しないような二次代謝物質や難消化性物質を多く含む食物を採食することがある。屋久島の標高1700m以上のササ原に生息するニホンザルは、夏の間ササの一種であるヤクシマヤダケのタケノコ、新芽のみを食べている。ササ類に近縁なタケ類は有毒な青酸配糖体や繊維質を多く含み、ヤクシマヤダケもこれらを多く含むことが推測される。本研究では、他地域には見られない特徴的な食性を示す屋久島山頂部のニホンザルの腸内細菌を調べ、これらの食性を可能にする腸内細菌の機能特性を解明することを目的とした。 本年度6月に日本モンキーセンター飼育ヤクシマザル、7月に屋久島山頂部・低地部の野生ヤクシマザルの新鮮糞のサンプリングを行った。新鮮糞を嫌気性希釈液で希釈した後、青酸配糖体含有培地で培養後のシアン発生量の測定、青酸配糖体含有培地での集積培養後の細菌分離、分離菌の糖分解性試験を行った。シアン発生量には個体の生息地ごとに違いが見られ、この違いは採食食物の違いに起因していることが示唆された。また集積培養で3地域由来個体すべてから分離されたLimosilactobacillus mucosaeの糖分解性を比較したところ、野生由来株は飼育由来株に比べて多種類の糖を分解し、特に山頂部由来株ではトレハロースやセロビオースに対する高い分解性を示した。これらの機能特性が山頂部のササ食に関連していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
7月に屋久島での調査を行い、観察することが難しい屋久島山頂部に生息するニホンザルの新鮮糞を採取することができ、青酸配糖体含有培地を用いた集積培養および、腸内細菌の分離培養を行った。生息地間での比較から興味深い結果が得られたため、今年度はこの成果の学会発表を予定している。また、現地調査や植物サンプリングに必要な申請手続き等をすべて終え、次年度以降の研究環境が整った。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の成果を日本霊長類学会で発表する予定である。実験については、次世代シーケンサーを用いて腸内細菌の遺伝子網羅解析を行い、生息地間での菌叢の比較を行う。また、追加で飼育ニホンザル新鮮糞のサンプリングを行い、野生個体の結果との比較を行う。
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