研究課題/領域番号 |
22K15195
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45060:応用人類学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
増岡 弘晃 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 特別研究員 (00903692)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 腸内マイクロバイオーム / メタゲノム解析 / 衛生仮説 / 近代化 / ラオス / 非感染性疾患 / 発展途上国 / アレルギー性疾患 / 自己免疫疾患 / 都市化 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、世界各地で都市化が進んでおり、生活習慣病の罹患率が増加している。都市住民は、農村住民よりも高脂肪食の摂取量が多く、腸内共生微生物の構成も大きく異なると同時に生物多様性が低いことも分かっている。都市化によって腸内の多くの微生物種および機能遺伝子が失われたことが、生活習慣病の罹患率増加に大きく寄与した可能性が示唆される。 本研究では、ラオス北部における都市化の程度の異なる複数のコミュニティを対象に、腸内微生物叢の詳細なメタゲノム解析を行い、都市化が腸内微生物叢に与える影響を多角的に明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、腸内微生物叢のメタゲノムデータを用いてビニング解析を実施し、細菌のドラフトゲノム(MAG: Metagenome-Assembled Genomes)を構築した。ラオスのメタゲノムデータと発展途上国由来の公開データを合わせ、発展途上国の人々の腸内由来のMAGを網羅的に収集した。さらに、先進国由来のMAGを含むデータベースと統合し、10,000以上の高品質なMAGを収集することができた。一部のメタゲノムデータに付随した経済指標情報を基に統計解析を行い、経済発展によって変動する菌株を推定できた。様々な疾患コホートにおける分布も評価した結果、複数疾患で共通して増加する菌株が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、発展途上国の腸内微生物叢から高品質なドラフトゲノム(MAG)を構築することで、腸内細菌の多様性理解を深めることに貢献し、グローバルな微生物データベースの拡充に繋がる研究だと考えている。経済発展によって菌株の分布が変動し、さらに変動した菌株が疾患と関連するという発見は、腸内微生物とヒトの健康が密接に関連していることを示唆しており、公衆衛生政策の改善やヒトの健康増進を目指すための基礎データを提供するものである。
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