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脳内分泌蛋白質LGIファミリーの脳機能における機能重複性と特異性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K15208
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分46010:神経科学一般関連
研究機関生理学研究所

研究代表者

宮崎 裕理  生理学研究所, 分子細胞生理研究領域, 特別訪問研究員 (70837260)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードLGI3 / ADAM22 / 分泌タンパク質 / 神経疾患関連遺伝子 / 知的発達障 / 電位依存性カリウムチャネル / 髄鞘形成 / 傍パラノード / 知的障害 / LGIファミリー
研究開始時の研究の概要

脳神経疾患の病態を理解する上で、疾患の原因遺伝子産物の機能を明らかにすることは極めて重要である。LGIファミリータンパク質(LGI1-LGI4)は、末梢及び中枢神経に発現する分泌タンパク質群であるが、遺伝子変異による個々のタンパク質の機能異常が様々な病態を引き起こすことから、互いに異なる生理機能を有することが予測されていた。しかし、最近我々はLGIファミリータンパク質が共通の機能を有する可能性を見出した。本研究では、LGIファミリーに共通のもしくは特異的な生理機能を明らかにし、LGIタンパク質機能異常による病態形成機序の解明を目指す。

研究実績の概要

脳神経疾患の病態を理解する上で、疾患の原因遺伝子産物の機能を明らかにすることは極めて重要である。LGIファミリータンパク質(LGI1-4)は、中枢及び末梢神経系に発現する分泌タンパク質であり、LGIファミリー遺伝子の変異は、てんかん(LGI1、LGI2の機能異常)、知的発達障・ミオキミア(筋攣縮)(LGI3の機能異常)、もしくは末梢神経髄鞘低形成(LGI4の機能異常)などの異なる神経疾患を引き起こすことが明らかにされつつある。このような病態の多様性から、LGIファミリーは遺伝子間で互いに異なる生理的な役割を担っていると考えられてきた。一方で、LGIファミリータンパク質は共通の受容体膜タンパク質であるADAM22ファミリーと結合することが報告されている。また最近我々は少なくともマウス脳内の一部の神経細胞軸索上で、これらのタンパク質群が共局在しており共通の機能を有している可能性を見出した。本研究では、軸索上に共局在するLGIファミリーや受容体分子の役割を詳細に明らかにすることで、LGIファミリーに共通あるいは特異的な生理機能を解明することを目的とする。また、これらを通じてLGIファミリーの機能異常がどのように神経疾患の病態形成に寄与するのかを明らかにすることを目指す。 2023年度は、前年度に引き続き、LGIファミリーの中でも生理機能の理解が不十分であったLGI3の生理学的役割を明らかにするために、LGI3ノックアウト(KO)マウスの組織学的・電気生理学的・行動学的表現型解析をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は、LGI3KOマウスの組織学的な解析によって、LGI3が濃縮して存在する髄鞘化された軸索ドメインの一つである傍パラノード(JXP)において、電位依存性カリウムチャネル(Kv1チャネル)のクラスター様の局在がLGI3や受容体膜タンパク質であるADAM23に依存していることが明らかとなった。また、電気生理学的な解析によって、LGI3の欠損はKv1チャネル依存的に軸索の活動電位伝搬を変化させ、結果としてシナプス伝達の短期可塑性に影響を与えることがわかった。さらにマウスの行動学的な解析によって、LGI3KOマウスは野生型マウスと比べて基本的な運動能力は同等であるが、高度な認知機能を必要とする行動柔軟性が低下している傾向が認められた。これらを含む研究成果をCell Reports誌に報告した。

今後の研究の推進方策

2024年度は、(1)2023年度に引き続き、LGI3KOマウスの行動学的解析を行い、LGI3が個体レベルでどのような脳機能に寄与しているのかを調査する。また、他のLGIファミリー欠損マウスと比較することで、それぞれのタンパク質が担う高次脳機能の重複性と特異性を評価する。また、(2)LGIファミリーの機能発現には共通した受容体分子であるADAM22/23ファミリーが必要である考えられることから、ADAMファミリーの多重遺伝子欠損マウス・培養神経細胞を作製し、これらのファミリー分子が担う機能を解析する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Oligodendrocyte-derived LGI3 and its receptor ADAM23 organize juxtaparanodal Kv1 channel clustering for short-term synaptic plasticity2024

    • 著者名/発表者名
      Miyazaki Y, Otsuka T, Yamagata Y, Endo T, Sanbo M, Sano H, Kobayashi K, Inahashi H, Kornau HC, Schmitz D, Pruss H, Meijer D, Hirabayashi M, Fukata Y*, Fukata M*
    • 雑誌名

      Cell Reports

      巻: 43 号: 1 ページ: 113634-113634

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2023.113634

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [備考] 研究室ホームページ

    • URL

      https://www.med.nagoya-u.ac.jp/neuropharmacology/fukata/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 研究室ホームページ

    • URL

      https://www.nips.ac.jp/fukata/

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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