研究課題/領域番号 |
22K15220
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
齊藤 夕貴 筑波大学, 医学医療系, 助教 (70732436)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | QRFP / 冬眠 / 低代謝 / 体温 / 視床下部 |
研究開始時の研究の概要 |
2020年に本来は非冬眠動物であるマウスの視床下部の小領域である前腹側脳室周囲核( AVPe ) に存在するQrfp 発現ニューロン(Qニューロン)を特異的に興奮性操作することで冬眠様状態を誘導し得ることが発見された。しかし、Qニューロンがどのようなメカニズムでセットポイントを調節して低体温を引き起こすのかについては未だ明らかになっていない。そこで本研究ではウィルスベクターを用いた神経回路トレーシングによってQニューロンに制御される神経回路を組織学的に明らかにし、光遺伝学的手法や化学遺伝学的手法を用いてQニューロンの下流経路を操作し、Qニューロンの作動メカニズムを明らかにすることを目指す。
|
研究成果の概要 |
Qニューロンは主に視床下部背内側核(DMH)のニューロンを興奮させることによってQIHを惹起することが明らかになっているが、そのニューロンの性質や、さらに下流においてどのようなメカニズムでQIHを引き起こしているのかを解明する必要があった。本研究ではAAV(アデノ随伴ウイルス)ベクターと改変型の狂犬病ウイルスベクターを用いた神経回路トレーシングにより、AVPeのQニューロンから直接入力を受けているDMHのニューロン群を同定し、さらにDMHのターゲットニューロンをオプトジェネティクスによって操作することでその神経回路を構成するニューロンの性質を組織学的・機能的に明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果によりQニューロンによる体温制御メカニズムが明らかになることで、冬眠様状態の理解につながり、将来的にヒトにおいてQニューロンの活動を人為的に操作させる技術の開発につながる可能性が高まる。重篤な外傷や急性疾患では呼吸・循環動態の不全のため重篤な組織障害をきたすことが多いが、冬眠様状態の誘導により全身代謝を下げることができれば、救急医療をはじめとした臨床医療においても革命的な変革をもたらすことが期待される。
|