研究課題/領域番号 |
22K15223
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
市木 貴子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30778519)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 飲水抑制機構 / 肝門脈 / 迷走神経 / 低浸透圧感知メカニズム / in vivo イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
適切な飲水量の調節には、飲水行動の抑制や終了の制御が重要である。我々は消化管の感覚受容に主要な役割を果たす迷走神経の活動をリアルタイムで観察するために、in vivoイメージングの実験系を確立し、腸管内への水灌流に特異的に反応する神経群を見出した。しかし、これらの神経群が活性化するメカニズムの全容は解明できていない。これまでに、腸管から吸収された水分や栄養素が集められる肝門脈を支配する迷走神経が、これらの感知に関与しているという重要な知見を得た。本研究では、「肝門脈を支配する迷走神経の低浸透圧感知メカニズムを解明する」ことで、体液恒常性を維持する神経基盤の一端を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
飲水後に消化管内で浸透圧変化が感知されることで、飲水抑制が起こることが示唆されてきたが、そのメカニズムは長らく不明だった。我々は、消化管を制御する迷走神経の感覚神経節をリアルタイムに観察するイメージング実験系を確立し、消化管内の低浸透圧感知に肝門脈が主要な働きをしていることを明らかにした。本研究により、飲水後に腸管にて低浸透圧が感知された後、血管作動性腸管ペプチド(VIP)を含む消化管ホルモンが分泌され、VIP受容体(VIPR2)を介し肝門脈に作用することで、迷走神経を介して中枢に飲水抑制シグナルが送られている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
飲水後に消化管内で浸透圧変化が感知されることで、飲水抑制が起こることが示唆されてきたが、そのメカニズムは長らく不明だった。我々は、消化管を制御する迷走神経の感覚神経節をリアルタイムに観察することで、腸管内の水による低浸透圧刺激に特異的に反応する神経群を見出した。さらに、この低浸透圧感知には、肝門脈が主要な働きをしていることを明らかにした。本研究により、長らく不明であった消化管における飲水抑制回路が明らかとなった。
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