研究課題/領域番号 |
22K15244
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
石田 良典 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (10937684)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | リアノジン受容体 / 筋細胞異常 / 構造活性相関 / リアノジン受容体制御剤 / カルシウムチャネル / 筋疾患 / チャネル開閉ダイナミズム |
研究開始時の研究の概要 |
カルシウム遊離チャネルであるリアノジン受容体(RyR)は、遺伝子異常に起因する活性化や不活化によって多くの致死性筋疾患を引き起こす。近年見出したRyRアイソフォーム選択的制御剤の構造活性相関研究を展開することで、これら筋疾患の治療薬となりうる新たな高選択的・高活性RyR制御剤の開発を行う。また、cryo-EMによる複合体構造解析や、プローブ分子による結合位置特定を通し、RyR開閉ダイナミズム解析を行う。
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研究成果の概要 |
リアノジン受容体(RyR)は筋小胞体膜状に発現する巨大なカルシウムイオン(Ca2+)遊離チャネルである。小胞体に蓄積されたCa2+を細胞質に放出することで筋収縮を誘発する。RyR1は骨格筋を制御するため悪性高熱症(MH)の原因に、RyR2は心筋を制御するため心疾患の原因になる。MHの治療薬Dantroleneは水溶性に難があることから、既知のRyR1阻害薬の構造展開を行い溶解度が1000倍向上した誘導体の合成に成功した。また、RyR2選択的阻害剤として複数の化合物を報告し、心筋細胞のカルシウムシグナル異常をキャンセルすることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RyR異常は致死性筋疾患の原因となることが知られているが、治療薬はMHに対するDantroleneしか認可されていない。医療現場では、突発的なMH患者に対し、お湯で無理やり溶かし投与する。またRyR2も阻害するために、濃度によっては心筋への影響も考えられる。そういった状況を鑑みると、今回開発した水溶性向上RyR1選択的阻害剤は、よりよい治療候補化合物となりうる。また、RyR2選択的阻害剤は報告がなかったことから、強力な効果を有するTMDJ-035は治療薬候補化合物として非常に有望である。同時に、これら強力な選択的制御剤は、今後のRyRが関わる研究のツールとして広く利用することが期待できる。
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